第23話 意外な持ち主
果たして、なぎさ会長の写真が出来てるかって顧問の先生にもらったぞ。
「おい、お前」
顔の濃いヤンキーみたいな人が話しかけてきた。
「いい写真あるぞ、それと交換しねぇか」
ちらりと見せたるはかなりレアな某アイドルの水着写真、う~ん、でもなぁ
「ごめんなさい、頼まれてるんで」
そういう写真には勿論興味があるけど、心の勾玉は町内に散らばってるんだし、この町にアイドルがいない限りその娘は持ってない。
「じゃあ、これでどうだ」
次はグラビアアイドルのかなり肌色の多い写真、勿論この町の人じゃない、俺は無視してすたすた歩く、
「おい、じゃあこれは」
かなりいかがわしいセクシー女優の写真で釣って来たけど、この町の人じゃない。
「この写真じゃないと駄目なんです」
俺はそう言ってはねのける。
「!!」
なんか俺変なこと言ったかな?顔の濃い人倒れたけど、まぁいいや。
早速現像した写真を見てみると、果たしてなぎさ会長心の勾玉ありました……。
いやでも!全年齢版で「友達」だから!沙織でそれはもうわかってるから!
お願いします神様お命だけはお許し下さい会長怖すぎです。
☆
ってことはあと一人、やばいあと二週間もない、ってことはやっぱりハオなのかな?
う~ん、でもあと二人も捨てがたいんだけど。
そんなこんなで飛ばしていこう。
バレー大会まであと数日となった。
しかし今日はバイトだバイトだ、ってことで鈴木さん写真を……うん、今撮る必要全くないね、いやネットにはあげない!変な加工しない!約束する!
でも、それよりも気になることがあるんだ。
鈴木さんは同じ高校だけど、なんか聞いた噂で……。
好きな人、いるっていう話が。
その人は幼馴染がいて、学園祭に対しても頑張っててかっこいいらしいってなことまで噂になってる。
うん?幼馴染?
いや、幼馴染なんてわりと誰にでもいるだろ、まさか俺じゃないよな(といいつつほくそ笑む)
それで今日も、仕事中浮かぬ顔……、
「はぁ……」
レジ打ち間違えちゃ駄目だよ、鈴木さん。
「鈴木、久保、休憩だ」
店長が俺らを呼んだ。
休憩所で鈴木さんに思い切ってこう切り出す。
「大丈夫?なんか悩みあるの?仕事中ボーっとしてたら危ないよ」
「……はい」
静かな返事、心ここにあらずって感じだ。
「……噂、聞いたことありますか?」
おどおどと、『いいよ』って言ってるのに俺に敬語を使う鈴木さん、
「うん、好きな人いるんだって?」
「うん……」
耳まで真っ赤になる鈴木さん、これは俺が一肌脱がないと、
「協力するよ、明日時間ある?」
「その人は……バレーの練習に出たり、文化祭のことだって頑張ってる。
その人のことを考えるだけで私……」
次の日の昼休み、鈴木さんはゆっくりと俺に教えてくれた、ちょっとずつ、近ずく心。
「ちゃんと『友達になって下さい』って言った?」
「そんな!私時々話すだけでいいんです」
「駄目だよそれじゃ、一緒に遊んだり、色々楽しまないと」
「そうですか?」
「そうなの」
こうやってアドバイスしてるうち、俺の方が好きになると。
そんなことを考えながら歩いていると、
「あっ……」
何も見のがさまいと、鈴木さんの目がぱぁっと見開く、その先には沙織、そしてもう一人……なぎさ会長?
「久保さん!私!言ってきます!」
えぇそんな鈴木さんなぎさ会長はあぁ見えて女だからあばば。
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