ギャルゲーだよね?RPGじゃないよね?

第21話 お前久保明緒だろ?ってノリ。

 沙織を送って、俺は家に帰った。

「大丈夫、少し疲れただけだから」

帰り際沙織はそう言った。

 俺のかっこいいところを見てないのは残念だけど、ヒーローってそんなもんのような気がするからしかたないよな。(理由?知るか)


で。

家に帰って開口一番にハオが言ったこと。


「どうして心の勾玉持ってないの?SNSでは女の子とうまくいってるなんて言ってたくせに~!」

それな。


 はっきりいって、俺はSNSでは底辺だ。

 フォロワーも200人ぐらいだし時々しか反応もらえないしビビりでアルファには話しかけられないし俺の更新読んでくれてる人はみんな「いい人だけど」で終わってしまうどうて(ryだけどいやそれむしろ類友だけど。


 けどなんか、とくに最近のネットなんてどうせ目立ったもん勝ちなんだろうwww

 どうせみんなネタだって思ってるしな。

 炎上して沢山批判浴びてなんぼ、誰とは言わないが手芸とか上げてる女頭おかしいんじゃないのwww


 って、まぁどうせ同姓同名の有名人もいるから目立つんだし、そんなこんなで


 出会う女の子のことみんなSNSに匿名で書きまくりました。

 もちろんみんな俺に夢中、モテモテの俺。

 そしてそこに現れる、その秘密はこれ!→なURL。


 しかしてその実態は、なんとか友達申請にこぎつけた恋愛力学のブログ。

 あのなんか、批判の多いやつな。

 もちろん俺はそのブログを


 もうバズるバズるwww

 「あの久保明緒が」ってお前ら釣られ過ぎだwww

 俺も久保明緒だけどな、って誰も本気にしてねぇwww


 え?久保明緒って誰だって?ぶっちゃけあんま知らねぇ。

 確かプロ野球選手じゃなかったっけ?

 

 でも俺、そこで嘘はついても、なんかハオのことだけは書けなかったんだよな。

 当然ハオとのSNSでの絡みも無し。

 だってハオにまで迷惑かけちゃう。

 それにハオとはSNSじゃなくリアルで話せるし。


 ってな風に俺がまるでハオのこと好きみたいなことを考えると心を読めるハオにはばれるので、俺はなるべく沙織のことを考えながら

「読んで楽しいほうがいいかなって」

なんて言ってみた。


「もう、しょうがないんだから」

ハオがふくれてる、よかったばれてない、俺は胸をなでおろす。


「それにしても、沙織は攻略難しいキャラだと思ったのに心が繋がっていたんだなぁ」

俺はそわそわ浮かれ出す。

 このままなら男の夢ハーレムエンドも夢じゃない。


「いっぱいお友達できるといいね♡」

ハオがにこにこしてる。

え?お友達?

心と手と携帯以外のもっとこう柔らかく美しいものとは繋がらないとか?まさか?


 

 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る