第15話 身体が勝手に……。
ゲーム屋を出てからあっちこっちフラフラしてたけど携帯ショップの女性店員さんが相変わらず綺麗だということ以外特にない感じだ(きっと、攻略できないモブキャラなんだろ)今日はとりあえずポニーテールの女の子と出会うイベント以外はないのかな?
気がつけば11時半、お袋の紹介してくれたスーパーもこの辺だし、どっかでテキトーにお昼食べて、このままバイトの面接行こうっと。
こんなこともあろうかと履歴書を持ってきたんだ。
ってことでハンバーガー屋でお昼を食べて(勿論可愛い店員さんにスマイルを要求するのは忘れない)花屋の店先で水をやる可愛い系美人のお姉さんのスカートを覗いてない覗いてないって言ったあとちゃきちゃきの異性のいいショートカット魚屋お姉さんに声を掛けられてけだるげな人妻ともすれ違った気がするけどみんなモブなんだろ?な?
でさぁ、さらに付け加えるなら
「あ、ここじゃない?明緒」
そんな馬鹿なことばっか考えてたらスーパーを通り過ぎるとこだったぞ、危ない、危ない。
スーパ―
「あ、バイトの面接の久保くんね、君と同世代の女の子とか、バイト入ってるんだよ」
「あ、そうですか」
てなことで、まぁそれなりに期待しておこうか、うん。
面接は好感触、さっそく来てくださいだって、俺のシフトは、水曜日、金曜日だそうだ。
「おはようございます」
そばかすが素朴でかわいい感じの女子高生が事務所に入ってきた、モブかな?攻略できないかな?
「おはよう林君」
「店長、マグロバーガー人気で売り切れました!」
林さんかぁ、はきはき明るいし、いい子だなぁ。
とりあえずバイトも決まったし、今日のイベントはここまでかな?
ところが帰り際、ハオはとんでもないことを言ってきたんだ。
「ねぇ、明緒くん、あたし、お風呂はいりたぁい!もう三日も入ってないのよ?」
「え?」
勿論一緒に、ってことではない、それはわかる、わかるけど、やっぱ専用ビジュアル、欲しいよな?
☆
家は都合よく留守だった。
俺はいつもの所から鍵を取ると、玄関をあけ、さっそく風呂を炊く。
「じゃあハオ、ちょっとまってる間なんかやろうか?」
「うん、今日ゲーム屋で何か買った?」
なぁ、俺っていい旦那さんになる気がしねぇ?
「買ってないけど、このパズルゲームならハオにも面白いと思うよ」
俺が出したのは「マネーアイドル エクスチェンジャー」ちょっとマイナーだけど、(この会社倒産したし)お金両替するの面白いゲームだ。
同じ理由で「もうぢゃ」もいいけど、美少女が足りない。
「うん、やってみる」
「じゃ、このボタンで回すんだよ、ゲームスタート」
俺はプレステにディスクを入れた、まぁハオは初心者だし……あれ?けっこうコンスタントに両替してるぞ。
てっか三連鎖四連鎖って追いまてこら、俺の画面コインまみれなんだけど。
うわっ、負けた。
「もう一回」
俺はちょっとムキになって言った。
「いいよ、三回戦する?」
でもなぜか勝てない、つうかコインをすっと下画面まで貯めてさっと両替大連鎖怖すぎる。
YOU LOSE!負けてしまったぞ。
「くっ、もう一戦……」
ピピピ、お風呂の湧いた音がする。
「じゃあ入ってくるね」
ハオはお風呂に入ってるぞ。
>身体が勝手に……。
もちろんそうだよなぁ?
ハオが鼻歌なんか歌ってるのがガラス越しに聞こえる。
この先は天国か地獄か、あぁ、天使よ我を……。
なんかおかしいと思ったら神器が光ってる。
「ファウスト」
ってなんだよそれ?
(のちに検索したら、天国や地獄にいく古典だと判明)
「おぉ、それが定めならこの扉を開けよう」
って大げさだな、覗きのくせに!ってか俺の手、止まれ、止まるな、その扉を開けるな、いや開けろ、おちつけ、おちついていられるか、見たい、見たくないわけがない。
「明緒くん?」
ほらハオが気づいたじゃねぇか!見よ天使の声が聞こえる、ならばこの中は天国……。
「きゃぁぁ!!」
我は確かに見た、女神の見事な膨らみ、たわわな果実、秘密の場所こそ泡に包まれていたが、そのしなやかなくびれをも。
ビシッ!ハオは触れないので、水を吸ったタオルで思いっきり叩かれた。
その日はずっと口を聞いてくれなかったぞ、やっちゃったなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます