第14話 どれで遊ぶ?

 三日目。

 美人は三日で飽きるっていうけど

「おはよう」

「おはよう、明緒くん」

ハオの顔は三日じゃ飽きないぞ。ちなみにブスって意味じゃない。


「今日はアルバイトの面接に行くのね?」

「あぁ、午前中は街をぶらぶらして、誰か女の子と出会うイベントでも期待しようかと思って」

駅までバスでちょっとだし、時間は有効に使わないと。


「あたしもいくー」

「よしっ、一緒に行こう」

話してて思った、これってデートじゃないのかな?



 駅前のアーケード街は、それなりに人通りもあり、なにより俺がプレステのソフトを買うゲーム屋もあるし結構行く。

「まずは……」

と、いつものようにゲーム屋に行く足を止めて思った、そこで女の子と出会えるかなぁ?


「どうしたの?」

「う~ん、いやぁ、まぁいいか、とりあえず入ろう」

誘惑に弱いなぁ、俺。


 ゲーム屋に入ったぞ。

「う~ん、この娘もかわいいし、でもこれも捨てがたいし……」

 ふと見ると、セガサターン?とかいう知らないハードの前で女の子がうんうんうなってる。


 って、パッケージに……18禁!?

 え?家庭用ゲーム機で18禁ってありなの?


 それになんで女の子が美少女ゲームって!?だってただで自分の(以下自粛)まぁとにかかく、ここは美少女ゲームの先生たる俺が教えてあげないと。

「それ、18禁だよ」


「え?私、18歳以上なんだけど」

女の子が振り向いた。

 ポニーテールの女の子はどこをどう見たって俺とおんなじぐらい、オタクっぽくない可愛い子で、これで18歳以上なんてことはないはずだ、店長、売れるからっていい加減しやがって


「ね、どっちがいいと思う?」

女の子が俺に見せたのは「野々村なんとか」とか「(アルファベット)、この世のなんとかでどうたらを唄う少女」との聞いたことないメーカーの18禁ゲーム。

 なんか、どっちも知らないぞ。


 よしっ、俺がここは一つ、この娘をまともな道に戻さないと。

「ね、プレステ持ってる?」

「……持ってるけど?」


女の子がやって面白いギャルゲーね、はいはい、わかりました、わかりました。

「じゃあ、これは知ってる?」

俺はプレステの棚を探した。取り出したのは「あやかし忍伝 くの一番」


「……なにそれ?知らないメーカー」

やっぱりな、女の子に俺は説明する

「ときメモ知ってるよね?そのみはりん役の菊池志保ちゃんがヒロインやってるんだ。ちょっともっさりしてるけど」

「へぇ、でももっさりはなぁ」


う~ん、なんかまだぐっと来ないって感じだぞ、よしこれだ、俺はまた紹介する

「秘密戦隊メタモルファイブ、ときメモの朝日奈役、鉄炮塚葉子ちゃんが声を当ててる子がいるし、言葉を組み合わせて必殺技だしたりシステム的にも面白いものがあるんだ」

「う~ん、ちょっと絵がなぁ」

まだかぁ、面白いのになぁ


「ってか、さっきからお兄さんときメモの声優がどうのこうのだけだね」

「うっ」

それを言われてしまうと何にも言えない。


「じゃキャプテンラブは」

「なにこれ、え?エンクミ?誰?」

誰って言われてもなぁ、エンクミはエンクミだとしか、


「あえて悠久幻想曲」

「サターン版全キャラクリアした」


「王子様レベル1」

「美少女がいい」

とことのごとく却下され、俺も疲れて、女の子も疲れた時あるソフトに目が行った。


「ネクストキングは?普通にゲームとして面白いし、あと、どきどきポヤッチャオとか」

結局まぁ無難なとこへ行くしかないんだよなぁ、でもこれギャルゲーっていうより……


「へぇ、あ、サイコロ振るんだ?じゃあ、こっちにしようかな」

やっと気にいってもらえたぞ、あぁ、疲れた。


「……ねぇ、お兄さん」

「何?」

ゲームも買って、もう俺に用がないはずの女の子が俺に話しかけてきたぞ。ひょっとしてこれは出会いイベントじゃねぇ?


「ここにはよくくるの?」

「あぁ、君は?」

ゲーマーどうしかぁ、悪くないぞ。


「たまにね、あ、でも会ったことってあったっけ?」

こんな可愛い子このゲーム屋にいたかなぁ?


「ないかも、ね、またここであったら、ゲームの話したいね」

「喜んで」

そんなたわいもない約束をして俺はゲーム屋を出た。


 ってことで、学校帰りとか暇な時間はここをのぞくといいことあるかもしれないぞ。


 

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