読者様のことを考えていなかった


 えー、前回の記事(宣伝ツイートへのファボも含む)で♥が十を超えたら云々って書いたんですけどね。絶対十なんて超えねーべって思ってたのに、なんか超えてたっていうね。「十も来ない! ですよね、私なんかに興味なんかないですよねひゅー!」みたいな感じで自虐ネタにする気満々だったのにwドSなのかな?


 えー、じゃあ宣言通りに張り切って晒して参りましょうかね。私が自分の小説で今までどんな失敗をしてきてしまっていたのか。なんなら成功した部分を数える方が遥かに早く終わるレベルなのですが(笑)何よりも一番大きいと思われる失敗は、


『読者様のことを考えていなかった』


 ことだと思います。


 どういうことかと申しますと、私は読者様が読む、ということをあまり意識して書いていなかったのです。私が最も重視してきたのは物語の世界観であり、キャラ達です。例えてみるならば、木とか花をとても綺麗に整えた庭を用意し、そこに似合った鳥とかうさぎとかを放してお客さんに見て貰おうとしていた。


 でも、小説はそれでは駄目なんです。確かに、綺麗に整って可愛いアニマルが居る庭は眺めているだけでも楽しい。でも、その隣に同じくらい綺麗で可愛いアニマルが居て、更にアニマルに触れるような庭があったら皆様はどっちの庭に行きますか? 動物は苦手っていう方とか疲れてそこから動きたくない、みたいな方は例外として(笑)楽しみが多い方へ行きたいのが普通だと思います。


 これです。私の作品には、読者様に楽しんで頂くという小説に置いて最も重要な前提が抜け落ちてしまっていた。では、小説でいう読者様の楽しみとは一体何でしょうか。


 格好良い・可愛いキャラが活躍する。現実にはあり得ない独特な世界観を文字を通して想像する、などなど。そこまでは私もわかっていたし、意識もしていた。でも、読書の楽しみはきっとそれだけじゃない。


 読書の楽しみの大前提……それはずばり、物語に散りばめられた『謎』を解明させていくことです。こういう風に書くと、それってミステリー限定では? って感じに思われるかもしれませんが、ミステリーだけじゃありません。


 ハリーポッターがどうしてあそこまで大ヒットしたのか。映画とか俳優さんとかの要素は抜きにして。ハリポタを読んだことがあるという方は、読み進めていく内にこんな疑問を持ったのではないでしょうか。


 ハリーの額に刻まれた稲妻みたいな傷は何?

 ハリーはどうして親戚の家であんな仕打ちを受けているの?

 ヴォルデモートって何者?

 賢者の石とは何ぞ?


 などなど。ハリポタは進めていく内に、あるいはシリーズが進んでいくに連れて謎は一つ一つ解明されて、また新たな謎が絶妙なタイミングで突き付けられる。皆様はなぞなぞとかで悩んで答えがわかった時は少しはスッキリしたり、面白く思ったことがあると思います。どうして答えがわかった時にそういう感じを覚えるかと言うと、脳がそういう風に出来ているからだそうです。


 そして、読書とは文字を目で見て読んで(もしくは触ったり聞いたりして)脳で捉えて考え、理解して処理するという作業の繰り返しなわけです。つまり、小説とは脳の娯楽なのです。それが前提である以上、私の今の書き方では小説として成り立っているとは言い難いのです。


 復讐シリーズやまおよめ! はまだそれでもマシな方ですね。特にまおよめ! は『果たして勇者は魔王のお嫁さんになれるのか』が大前提ではあるので、最低限小説としての形は成り立っているかなと。謎、と書くと何かやっぱりミステリーっぽいですが、この概念に当てはまるのはミステリーだけじゃないということはもうお気づきかと思います。


 ハリーはヴォルデモートを倒せるのか

 墓守のアイは世界を救えるのか

 キノが次に行く国はどんな国なのか

 ローレンスとテメレアはどうなるのか


 みたいな。もちろん、戦闘描写が逸脱だとか官能描写が鼻血ものだとかギャグが笑えるとか、そういう楽しみもあるでしょう。でも、脳が欲しているのはやはり『謎』とその『解明』です。それが無ければ脳は退屈になってしまい、多くの人は読むのを止めるでしょう。


 読者様に楽しんで頂けるような書き方をしていなかった。これが私の一番の失敗です! まあ、まだまだ失敗はあるんですけど。それらを書き出したらキリが無いので、この辺りで止めておきます(笑)

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