第1413話 隠されし悪意の先へ
其の指示を耳にしたコンスタリオ小隊は顔を揃えて首を縦に振り、其の勢いのままに司令室を飛び出していく。
「僕達も直ちに向かいます、そしてそれが終わるまで、いえ、彼等と僕達が無事に帰還するまでの間何としてもブントの兵器による蛮行を食い止めておいて下さい。
場合によっては要請を入れていただければ此方側の戦力も投入出来る様にしてあります」
「お心遣い感謝します、ですが我々も可能な限り自前での戦力で防戦を行いたいと思います。
ブント側の兵士でなくとも少なからず混乱している兵士も多数見受けられますので」
天之御と司令官はこう言葉を交わすと通信を切り、それを確認した天之御達は
「さあ、愈ブントとの決戦の時だよ!!」
と天之御が号令をかけたのを皮切りに此方も黙って首を縦に振り、そのまま謁見の間の外に出ていく。
一方、司令室から飛び出したコンスタリオ小隊は其の足でキャベル本拠地の地下へと向かっていた。
「あの施設で入手した情報、それが正しければブントの本拠地に繋がっているのは……」
「ええ、この先に有る筈よ!!」
そう言いながらコンスタリオ小隊が向かったのは地下の兵器格納庫であり、そして其の奥、兵器が多数置かれている場所へと辿り着く。
「一見すると只の格納庫ね……だけど!!」
コンスタリオがそう言いながら兵器の裏側にあった壁の一部に触れる。
すると其の壁が凹み、ゴゴゴと何か重い物が動く様な音が聞こえてくる。
其の直後に近くにあった壁の一部がせり上がり、そこから隠し通路が出現する。
「こんな所に隠し通路か……ベタと言えばベタだが、それ故に気づかなかったと考えるべきか、それともブントの息がかかっているが故に気づけなかったと考えるべきかどっちなんだろうな?」
「それは今回の作戦の反省会で話すべきことであり、今此処で話す事ではないわ」
モイスがふと疑問を口にするが、コンスタリオはそれは跡にしてほしいと言わんばかりに先に進む様に促す。
モイスは少し不服そうな表情を浮かべるものの
「まあ、それもそうか。
まずはこの作戦を終わらせてからだな!!」
と直ぐに気持ちを切り替えて隠し通路の中に入っていく。
そこは当然ではあるが今まで見た事のない通路であり、改めて隠されていた場所である事を痛感させられる。
「通路の作りも此処までの基地の通路とは違う、明らかに先史遺産の物に近い上質な物になっているわね」
「基地部分は手抜きをしたとでも言うんでしょうかね、色んな意味で腹立たしいです」
コンスタリオとシレットが通路についての感想を口にした直後、前方に兵器が出現する。
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