第1388話 三柱の魔神族

するとその兵器は直様次の攻撃態勢に入っていた。


「つっ、既に次の攻撃を仕掛けて来るって訳か!!空狐、さっきので又守れるか?」

「攻撃が来たらやってみるわ」


八咫の呼びかけに空狐がこう返答するとその言葉を察したのか兵器が今度は雷撃を放ってくる。

しかし空狐が宣言通り三度白銀の魔鏡を使いその雷撃を反射して兵器に直撃させる。

すると先程の黒い光と同様雷も反射し兵器に直撃させると霧散する事無くダメージを与える。


「やはり反射攻撃であればダメージは与えられるの?しかしそうだとすれば……」


二度続けてダメージをあ耐えられた事に空狐自身が不思議がるものの、それを気にしている時間が無いのも自覚していた為、それを口に出す事はない。


「次の攻撃が来る前にあの兵器を地上に叩き落とすわよ、飛行されていたのでは彼女を救出する機会を掴む事が困難だからね」


星峰がそう告げると空狐、涙名も顔を合わせて首を縦に振り、三人は同時に平気に向かって飛翔する。


「飛行する妖術?彼等はそんなものまで使用出来るの?」

「いえ、あの妖術自体は極ありふれた物だよ、ある程度の鍛錬を積めば誰でも使えるようにはなる程度のね。

まあ、今はそんな事を話している場合じゃないか、だけど、こうした話を君達と出来るのもそう遠くない未来だと思いたいよ」


三人が同時に飛翔した事に対してシレットが少し疑問を口にすると天之御がそれに返答する。

その声は現状を見つめつつも何処か未来への希望を感じさせもする、そういった印象であった。


「空狐、涙名、この兵器を地上に叩き落とすわよ!!」

「ええ、だけど中の少女に傷を負わせるな、でしょう」

「それなら狙うは推進装置だね、だけどあれだけの大型兵器となると推進装置もかなりの数、堅牢な装甲で守られている。

だけどそれは逆にいえば……」


三人は顔を合わせて頷き、バラバラになって兵器を撹乱しつつ接近していく。

兵器は機関銃やレーザー、ミサイルで接近する三人を迎撃しようとするが三人にそんな物が通用する訳もなく、直様接近した涙名は


「闇の爪よ、貫け!!」


と言いながら手の爪に妖力を込め、爪を巨大化させて右側の推進装置らしき部分を貫き兵器の一部を貫く。

しかし、その貫いた部分は直様修復を始めてしまう。


「自己修復も搭載されているのね……だけどそれならその制御部分を破壊出来れば!!」

「しかし、この兵器の制御装置は何処に……万が一あの少女に組み込まれていたら……」

「それでもやりようは有るわ!!」


兵器が自己修復を始めるが、三人は全く恐れる様子を見せない。

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