第1369話 ハズレくじの部屋

その中に広がっている光景は目の前に機器、その周辺に兵器製造プラントが稼働していると言う最早お馴染みと言っていい光景であった。

コンスタリオ小隊もその事は自覚しているのか


「又この光景ね……もういい加減見飽きた感があるわ」


と言うシレットの一言にそれが現れている。


「ええ、だけどそれに呆れている時間は今の私達には無い、今は何としてもこの状況を切り抜ける為の手掛かりを探す必要があるのだから」


自分自身にも言い聞かせる様にコンスタリオがそう告げると一同は目の前の機器の電源を入れ、記録されているデータの内容調査を開始する。

だがその間にも目の前で兵器は生産され続けている、その光景を目にしている事で一同の内心には焦燥感が芽生え始める。


「くっ、目の前で兵器が量産されている……あのプラントをこの機器で停止出来れば良いのだけど……」


コンスタリオのその願いは虚しく、目の前で生産され続けている兵器を止めるシステムはその機器の中には登録されていない、その為目の前の兵器の生産を止める事は今の彼等には出来ない。


「くっ、こうしている間にも目の前で兵器が……」

「新しいデータは何かあるのか?」

「駄目……どれも既に入手しているデータばかりだわ、これじゃ何の為にこのデータルームを調べているのか……」


焦燥感の表れなのか、機器を操作するコンスタリオに対するシレットとモイスの言葉も何処か荒っぽい物になっている。

その事を察知はしているものの、その言葉通り新たなデータを入手する事が出来ないコンスタリオの返答も又焦燥感を感じさせるものになっていく。

そのままデータルーム内の機器の調査を続けるものの、一向に新しいデータを入手出来る気配はない。

そして全てのファイルのチェックを終えるものの、結局新しいデータを入手する事は出来なかった。


「駄目ね、ここに記録されているデータは全て既に入手しているデータばかりだったわ、他のデータルームより先に此処に来たのであれば意味はあったかも知れないけど」

「つまりは外れを引いちまったって訳か、まあ、分岐通路の反対側っていう当てがあるんなら此処でじっとしてる意味はねえな、そっちに急いだ方が良くねえか?」

「私もそう思います、此処でじっとしていてはそれこそ時間を浪費してしまいますから」


モイスとシレットの言葉を受け、コンスタリオはこのデータルームに見限りをつけて部屋の外に出る、だがそこでコンスタリオ小隊は予想だにしない光景を見る事となる。

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