第1370話 袋小路の戦い

部屋の外に出た一行の目に飛び込んできたのは兵器が大量に部屋の外に待ち構えており、一行が外に出てくるのを待ち侘びていたと言わんばかりに攻撃してくる。


「つっ、この数が待ち構えているなんて……この部屋は罠だったとでも言うんですか?」

「その可能性も否定しきれないわね……この部屋にあったデータは何れも他の場所でも記録されているデータばかり、だとするとこのデータルームを囮にし、多数の兵器を製造して取り囲んでいくという罠だったのかも知れない」


シレットとコンスタリオがそれぞれにこの部屋が罠だったのではないかという説を口にするが、そんな心境を推し量る時間も与えない程に激しい攻撃で思考は中断されてしまう。


「ちっ、今はそんな事を考えてる時間すら無さそうだぜ、この攻撃の激しさ……まずは此処を切り抜けねえと!!」


モイスがそう言うとシレットも


「そうね、この数とこの制度で攻撃を受けてしまったら非常に不味い……まずはこの場を切り抜けないと」


シレットはそう言うと前方の兵器に雷撃魔術を放って攻撃する、だがその攻撃は数体の兵器には通用するが、中には通用しない兵器も混ざっている。


「通用しない兵器も居る……つまりあれは青制御の兵器って事!?」

「私達が魔術側の存在である事を見越して青制御の兵器を送り込んできたの……だとしたら厄介ね……」

「ああ、今の俺達じゃ青制御の兵器を破壊する手段がねえ、けどこの数じゃ……どうする?一旦部屋の中に戻って別の出口があるか探すか?」

「駄目、生産プラントの中に飛び込めばこの状況から脱する事は出来るかも知れない、けど今この数の兵器に背を向けてしまったらその瞬間に集中砲火を食らう事になるわ」


あまりの数の兵器に加え、青制御の兵器も混じっている、その状況は一同に冷静さを失わせる程の状況に追い込んで居る様だ。

モイスの口から出た言葉に対するコンスタリオの反応がそれを物語っている……様に思えたがモイスは直後に


「なら、あの兵器から集中砲火を喰らわねえようにすれば良いんだろ!!」


と言うと銃を構える。


「モイス!?何をする気なの?」


モイスの行動に対しコンスタリオが疑問の問いかけを行うが、モイスはそれに答えるよりも前に銃弾を天井に向かって放つ。

それも機関銃の様に連続して当てている。

その様子に気付いた兵器は早々にモイスに狙いを絞り攻撃を仕掛けてこようとする、だがそれよりも早くモイスは


「行動がおせえんだよ!!」


と何処か自信有りげな表情を兵器に対して向ける。

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