第1344話 些末な相違 異なるその先

「さて、まず見極める必要があるのは……」


岬はそう言うと前方の兵器に対し両手両足に妖力を込めながら接近していき、接近すると同時に格闘術を叩き込んでいく。

するとやはりと言うべきか、その一撃で大破する兵器もある一方で岬の妖力を吸収し、直様反撃に出てくる兵器も存在している。

だが岬はその反撃を軽々と躱し、その背後から来る空狐の


「狐妖術、清色の射抜!!」


と言う声と共に放たれた青色の矢で岬の攻撃を吸収した兵器を射抜かせる。


「数は多くは無い、だけど……」

「分かっているわ、残っているのは全部赤制御、ならばこれで!!

狐妖剣術、黄色の風刃!!」


岬の攻撃により、残っているのが全て赤制御の兵器となった事で空狐は剣を一周させ、そこから黄色の斬撃を放って攻撃し残っている兵器と周辺の生産プラント機器を掃討する。


「片付いたわね、だけど迎撃部隊が出てきたと言う事は此処から先も来ても可笑しくないという事、他の面々の事も気になるし、急いだ方が良さそうね」

「ええ、万が一大型兵器が配備されていたりしたら最悪の場合それが目の前で量産されると言う事も有り得る。

それだけはなんとしても阻止したい所ね」


この先に待つ兵器の驚異を感じ取ったのか、迎撃部隊の出現前よりも二人の声と表情は寧ろ緊張感を増していた。

故に警戒心を抱いて慎重に、しかし一方では足早にその場を攻撃して破壊しつつ通り過ぎていく。

そしてプラントの下流、即ち転移通路が目に入ってくる。


「ここがプラントの下流の様ね、だけどあれは……」

「ええ、違うわね。

感じる波長が違う」


転移通路を目にした二人は口と顔を揃えて違和感を感じさせる。

その視線の先は間違いなく転移通路に向けられていた。


「転移通路ではある、だけどあれは妖術ではなく魔術で作られている」

「と言う事は此処からは人族のエリアに兵器が送り込まれていると言う事なの!?だとしたら……」


転移通路が妖術ではなく魔術で作り出されている、その事実は二人の脳裏に嫌な予感を過ぎらせる。

だがそれを口に出して確認する間も無く二人の周囲を迎撃用の兵器が取り囲む。


「私達の感じた嫌な予感、それを確かめる為にも此処で愚図愚図しては居られないわよ!!」

「分かっているわ、速攻でかたを付けましょう。

幸いさっきと同様、数はそれ程多くはない!!」


岬と空狐は声を揃え、顔を示し合わせるとそれぞれ兵器に接近していき、格闘術と剣術で瞬く間に殲滅する。

そして兵器の殲滅を確認するとそのまま顔を示し合わせ、頷くと同時に転移通路に飛び込む。

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