第1342話 世界に迫る魔手

「どういう事なの!?どうしてこの生産プラントでしか生産されていない筈の兵器が豊雲の調査している東大陸の地下通路に出現しているの!?」

「予め運び込まれていたと言う線もあるけど、このタイミングでそれが偶然起こるとは考えにくい、となると考えられる一番有力な可能性は……」

「ここから分岐している生産プラントの各行き先から転移通路で向かった、そう考えるのが一番ね」


豊雲の元にこの生産プラントで生産された兵器が出現した、その事実は一同に悪い予感を抱かせるには十分過ぎる波紋を呼びかける。

更に星峰が


「だとすると、現在豊雲が交戦している場所以外にもこの兵器が転移している可能性があるわ、各タウンに警戒を呼びかけて!!」


と叫び、其の言葉を天之御の通信機越しに聞いていた城の兵士は


「了解!!至急各タウンに警戒態勢を整える様に呼びかけます」


と告げ、各タウンに警戒態勢を整える様に呼びかける。


「それにしてもどうしていきなり兵器が……生産プラントで生み出されていた兵器は完成するまであの転移通路には入っていなかったのに……」

「プラントが破壊された場合直様転移通路に突入する様なプログラムが組み込まれていたのかも知れないわね、何れにしろこのまま兵器を放置する訳にはいかないわ」

「ああ、各プラントに対して分散し、残存している兵器を掃討してこれ以上兵器の侵攻が拡大するのを阻止する必要がある」

「なら手分けして対応しましょう!!」


兵器の突然の行動の変化に動揺を隠せない岬だが星峰は何時も通り冷静に状況を分析し、兵器の行動変化が自分達がプラントを破壊したが為に起こったのではないかと推測する。

無論、これは自分達がプラントを破壊しなければ良かったと言う事を言いたい訳ではない、プラントの破壊は必要な事であり、それを踏まえた上で現在起こっている事態に対応する事が重要であると考えているが故の発言である。

その真意を察したのか、それとも同じ様な事を考えているのか天之御と空狐も星峰の仮説に言葉を続ける。


「ですがどの様に分かれるのですか?現状残るプラントは四箇所、そうなると四手に分かれる事になりますが……」

「赤制御が紛れ込んでいる可能性を考慮すると僕、星峰、空狐、涙名がそれぞれ分散して行く必要がある。

其の上で八咫と岬には空狐と涙名に同行して欲しい、何方が何方と組むかは君達に任せるよ」


空狐がチーム分けについての疑問を述べると天之御は高宣言し、赤制御の破壊が可能なメンバーを中心に振り分ける事を決める。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る