第1341話 さらなる悪夢

そして数分が過ぎる頃にはプラントの源流は完全に破壊され、自己修復機能を持ってしても修復が不可能な状態にまで追い込む事に成功する。


「これでこのプラントで兵器の生産は出来なくなりましたね、後は……」

「既に建造されかけていた兵器が自己防衛の為に動き出す可能性があるから其の迎撃、破壊が必要よ」


プラントを破壊した岬が残っている問題が何か確認すると空狐は残っている兵器の対処が必要であると告げる。


「自己防衛の為に動き出す?侵入者が入ってきても迎撃しねえ柔軟性の無い機械がそんな事するのか?」

「さっきの転移妖術通路の周辺の事を考えれば有り得ない話ではないわ。

あの時、このプラントに移動してきていた遺跡の防衛部隊は兵器と交戦していた、もし柔軟性が完全に無いのであればあの兵器達も又防衛部隊と交戦している事は無い筈よ」


八咫が星峰に少々の疑問を投げかけるが、星峰は其の疑問に対し明確な回答を返す。

それを聞いた八咫は


「確かに其の通りだな、だとしたら……」


と言うと警戒心を抱くが其の直後、天之御の通信機に通信が入ってくる。


「通信?、このタイミングで何処から……城から!?」


予想外の所から通信が入り、天之御も困惑した声を隠せない。


「城から通信が入った!?一体どういう事なんです?」

「分からない……とにかく応対するよ。

作戦行動中に城から通信が入ってくると言う事は只事では無いだろうからね」


「完全に想定外の事態が発生し、戸惑いを隠せない様子を見せつつも天之御は通信に応対し、城からの声を聞こえる様にする。


「殿下!!今豊雲親衛隊長より通信が入り、東大陸の地下の調査中に全く未知の兵器と交戦しているとの報告です」


通信先に居たのはどうやら魔王陣営の兵士の用だが、その声は明らかに焦燥感が感じられる。

恐らくは其の兵士も豊雲の通信を相当焦って受けたのだろう。

其の様子を聞いただけで感じ取った天之御は


「分かった、其の兵器の画像を送る様に豊雲に問いかけてくれる」


と先程までの戸惑いを全く感じさせない冷静さで兵士に対し兵器の画像を自分の元に送る様に暗に伝える。

それを聞いた兵士は


「既に豊雲隊長からは兵器の画像の送信は受けています、此方になります」


兵士はそう告げると豊雲から送られてきているという兵器の画像を直ぐに天之御の端末へと転送する。

転送されてきた兵器の画像を見た一同は


「これって、このプラントで生産されていた兵器じゃない!!」


と言う岬の一言にその感想の全てが集約される。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る