第1340話 悪魔の迷路

星峰と天之御が導き出した回答に疑問を差し挟む余地は無く、一同はデータルームを飛び出してプラントの源流目指して走り出す。

その道中、製造途中の兵器を常に目にする事に当然ながらなるのだがそれでもやはりその兵器達が一同に銃口を向けてくる素振りは見られない。


「やはり抵抗は無し……ですか、幾ら製造途中とは言え近くを兵器が通っているのに全く抵抗が無いというのは不気味な雰囲気ですね」

「ああ、何時こっちに飛んできても可笑しくねえって状況だからな。

正直に言やあ今直ぐにでも破壊してえ、だけどそれをやっちまったら源流への道も分からなくなりかねねえからな」


涙名の言う不気味さはその直後の八咫の言葉にも表れている様にこの場にいる全員が共有していた、そして、それに対して現状では有効な手立てを打てないということも。

故に一同は急いでいた。

徐々に足早に成るその移動速度はこの不気味さを振り払おうとしているようにも見える。

その勢いのまま源流部分に辿り着くが、その光景を見た涙名は


「コレは……思っていたより厄介な構造になっているみたいだね」


と思わず口に出す。

涙名が思っていたより厄介な構造になっていると言ったその構造、それは一同が今まで遡ってきた生産ラインはここから流れている一つでしか無く、行き先が分からない生産ラインが後四本確認出来たからである。


「この生産ラインが複数ある内の一本に過ぎないのだとすれば、残る四本は何処に繋がっているのか、その点が気になるね」

「さっきのラインのパターンから考えると転移通路で他の戦場に送り込んでいる、そう考えるのが妥当ではあるわね。

勿論主訴はそこではなく、その転移先が何処なのかという事に成るのだけど」


ここに来る事を提案した天之御と星峰はこの光景を見て自分達の提案の正しさを改めて実感すると共にその先に更に疑問を抱く。


「まあ、まずはここをぶち壊しちまおうぜ。

兵器を止めてからでも転移通路の先は調べられるかもしれねえ、それに兵器の生産を止めちまえばこれ以上戦場に送り込まれない様にする事も可能だろ」


八咫がそう言うと岬も


「そうね、早々に此処を破壊し、転移通路を通じた兵器の移送を食い止めましょう」


と話を合わせる。

そして言い出しっぺの二人を筆頭に一同は生産プラントの源流に対しどんどん攻撃を仕掛けていく。

当然中には赤制御の部分も存在していたがそこは空狐、星峰、涙名、天之御の活躍により打ち破っていく。

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