第1339話 それぞれの思いの上に
其の勢いのまま前方の戦場に突入した霊諍は
「皆、大丈夫!?戦況は互角の様だけど一気にこのまま押し切るよ!!」
と其の場にいる全員に呼びかけ、その戦況を鼓舞する。
「司令!?戻ってこられたのですか!?」
「詳細な説明は後でするよ、それよりも今は敵兵器の迎撃を!!」
突如として乱入した霊諍に対し防衛部隊の面々は動揺を隠せない様子を見せるが、同時に一度の言葉や瞳に希望も宿っている様に見える。
そんな防衛部隊を見た霊諍は
「皆、行くよ!!此処を突破されて秘密基地を制圧や破壊されたら殿下にも申し訳が立たないからね!!」
と言い、防衛部隊を率いて侵攻してくる先史遺産の兵器と戦闘を開始する。
防衛部隊と兵器の戦いは此処まで互角と言った印象の状況だったが、霊諍の介入により流れは一気に防衛部隊へと傾く。
次々と兵器を倒していき、数の上でも防衛部隊が優位に立つ。
そして霊諍が放った
「雌豹の刃舞!!」
という声と共に周囲に舞い初めた風の刃で遺跡から侵攻してきた兵器を一網打尽にし、兵器の殲滅に成功する。
「ここから侵攻してきた兵器の殲滅には成功しましたね、そして、司令が戻ってこられたという事はこの先にあった転移妖術の通路は……」
「勿論封鎖に成功したよ、最も、転移先の生産プラントで殿下達が駆けつけてくれるとは思わなかったけどね」
「殿下?殿下とお会いしたのですか?」
「ああ、其の話も含めて一旦遺跡の防衛部隊の現状を把握させて欲しい。
もし他にも転移妖術の通路が存在していたりしたら大変な事になるからね」
霊諍はそう告げると防衛部隊の現状を把握するべく、一旦遺跡の入り口方向へと向かっていく。
「殿下、此方の防衛は上手く行きましたよ。
皆さんの方もどうかご無事で」
霊諍は足早に遺跡の入り口に向かいながら、天之御達の無事を内心で祈る。
一方其の頃、生産プラント内で其の心配を受けていた天之御達は生産プラント内のデータルームに戻り、次は何処に向かうべきかを検討していた。
「生産プラントの爆発は此方にとってプラスになる出来事であったけど、そうだとすると次は何処に向かえば良いのか考える必要があるわね」
「まあ、そこまで深く考える必要は無いと思うわ、プラントの行き着く先は分かったのだから次はプラントの最初に向かえば良いと思うわ」
岬が次に向かう場所への疑問を告げると星峰はプラントの最初、即ち源流に向かうべきであると告げる。
「そうだね、そこに向かえば赤制御や青制御の技術を生み出している場所も破壊できるかも知れない」
天之御も星峰の意見を採用し、生産プラントの源流を目指す事を決める。
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