第1327話 蒼色の守護

「つまり、この大型兵器がこのプラントの用心棒って訳か、だとしたら其の用心棒が早々に出てきてくれたって言うのは好都合だな」

「或いは私達が出口から入ってきたのか……そうだとしたら少々お行儀が悪いのかも知れないわね。

まあ、そんな事を言っている場合では無さそうだけど」


八咫と岬が揃って大型兵器に対する感想を述べると同時に兵器が手に構えていた機関銃を乱射し、入り口付近を蜂の巣にしようとしてくる。


「早々に攻撃とは、やはり私達のお行儀の悪さに怒っているのかしらね?」

「いきなり侵攻してくる様な連中に行儀の注意をされる筋合いはねえけどな!!」


機関銃を避けつつ、八咫と岬は兵器に接近して攻撃しようとするが大型兵器は可変機構を行い、接近した八咫と岬の攻撃を飛翔して回避してくる。


「つっ、此奴も可変機構を備えているって訳か!!だとしたら厄介だな……」

「ええ、既に可変機構を備えた兵器が小型、中型、大型全てで生産されていると言う事が現実になっている訳だからね」


今の一連の流れを見て八咫と天之御がそう口にすると同時に兵器は機関銃を上空から乱射してくる。


「魔王妖術、蒼色の守護!!」


天之御はそう告げると一同の周囲に青い膜を出現させて兵器の機関銃から一同を守る。


「殿下!?この膜は……」

「この膜で機関銃の弾丸を霧散させるよ!!其の上で反撃する機会を伺って」


突如として出現した膜に少し困惑した声を上げる空狐だが、天之御はそれを好機にして反撃の機会を伺う様に告げる。

天之御の言う通り、周囲に出現している膜は兵器の攻撃を次々と無効化し、兵器に対して有効な手立てを討つ時間を稼ぐ事に成功する。


「確かに兵器の攻撃は防ぐ事が出来ているけど、このまま守っていても勝算を得られるわけじゃない。

あの兵器が赤制御である可能性も有るけど一度仕掛けてみるわ」


星峰はそう告げると膜の外に出て兵器に向かってジャンプし、剣を振り上げながら


「狐妖剣術……真紅の両断!!」


と言って剣に妖力を込めて赤色に染め上げ、兵器に接近して右足部分が変形した推進装置を切りつけて破壊する。

すると兵器はバランスを崩すものの、左側の推進装置を上手く制御し、飛行を続けてくる。

その光景を見た星峰は一旦地面に着地し


「推進装置を破壊してももう一方で対処する術を取得しているのね……其の辺りの柔軟性は有るという事か」


とこの一連の流れを分析しつつ次の行動に備える。

すると兵器は着地した状況を鋤だと思ったのか直様攻撃態勢を取ってくる。

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