第1321話 出迎えなき来客

そして施設内に突入するが、一同の予想に反して特に迎撃部隊等は向かってこない。


「施設内に突入したのに迎撃用の兵器が出てこないわね……これは流石に妙すぎるわ」

「ええ、私達がこの施設から外に出てそれから兵器が出現したのだとしたら施設内に兵器が蔓延していても可笑しくは無い筈。

それがないという事はつまり、あの兵器はこの施設で生産されているのではないのかも知れないわ」

「けど、だとしたらあの兵器は一体何処から出現しているんですか?」

「この施設そのものではなく、直接繋がっている生産プラントか何処かから出現しているのかも。

そうだとすると其の生産プラントは他の二箇所の遺跡にも繋がっているか、或いは転移装置を設置している可能性が高いと言えるわね」

「もし後者だとすると厄介ですね、只単に転移してくるだけならまだしも設定の変更で地上にも転移出来る様になったりしたら最悪極まりありません」

「そうね、だけど今はそれを懸念していても仕方ない、それよりも早く対象を見つけ出す必要があるわ」


施設内に突入しても兵器が出現しない事に不自然さを抱きつつも一同は内部に突入し先程の調査時には見ていないエリアを調べていく。

しかし、中々新たな情報、データを知る事は出来ない。


「流石にそう簡単には新情報は得られないか……だけどもし仮に兵器の生産プラントがこの施設と繋がっているとしたらデータを保管するデータルームも隣接させている可能性は高い。

特に其の点を考えてデータルームや隠し通路を捜索して」


星峰が冷静に状況を分析する中、一同は徐々に施設の奥に捜索範囲を広げていく。


「この辺りにも特に何も居ない……と思いましたが、そうはいかないと言う訳ですね」


空狐がそう告げると同時に通路の奥から兵器が多数出現する。


「漸く兵器のお出ましって訳か、しかも外の兵器より性能は低い奴のようだが、舐められてんのか?」

「或いは生産プラントで生産された兵器ではないのかも知れないわね……だとするとプラントの入り口は施設の外にあるの?」


八咫は少し不服、不満と言った口調で兵器に対し毒気づくが星峰は冷静に状況を分析する。

無論、八咫とてこの状況が見えていない訳ではない。


「だったら今来た方向に目的の奴じゃなくても生産プラントがあるかも知れねえな、さっさと此奴等を蹴散らして先に進もうぜ!!」


八咫はそう言うと一気に接近し黒羽根を兵器に掠めるように当てて両断する。


「この先に何が有るのか、何もないのか、それを確かめる為にも行こう!!」


天之御のその発言もあり、一同は先に進んでいく。

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