第1314話 白銀の昇華
「あの形状……まさか!?」
八咫が困惑した表情を浮かべるとほぼ同時に兵器の其の部分に周囲の靄が集まり初めていく。
「新たに出現した部分に周囲の靄が集まっている……いや、あの状態は!?」
空狐がそう叫ぶと同時に其の部分は靄を吸い込んでいく。
「兵器が靄を吸収している!?つまりあの機構は靄に反応して起動したって事!?」
「一体何が起こっているの……亡霊と兵器が潰し合っているという事なのか、それとも……」
「狐妖術……金色の全知……いいえ、潰し合っている訳じゃないわ、寧ろ私達にとって悪い方向に流れている」
岬と涙名が困惑した声を上げる中、星峰は冷静に兵器と靄の状況を分析するものの、其の口調から状況は芳しくない事が伺える。
「悪い方向に流れているという事はつまり、あの吸収状況はそういう事と解釈して良いんだね……」
天之御が只事ではないという表情を浮かべると星峰は
「ええ、靄を吸収した兵器はどんどん其の性能を向上させている、つまりあの兵器は靄を吸収してパワーアップしているのよ!!」
と分析した結果を告げる。
其の言葉が正しい事を証明しているのか、兵器の周りには吸収した靄が纏わり付くように出現し、ただならぬ雰囲気である事を漂わせる。
そして靄が全て消えた時、目の前に現れている兵器が醸し出す雰囲気はとてつもなく禍々しいものになっていた。
「兵器単体でも亡霊単体でも無い異様な空気を感じます……何なの、この兵器は……」
「亡霊を吸収する機能を備えた兵器……つまりは連携での戦闘も視野に入れているということなのか、それとも兵器と亡霊の交戦も想定しているのか、何方にしても厄介な事が二乗になっているとほぼ確実ね」
靄の吸収を終えたのか、兵器は即座に一同に対してレーザーを放ってくる。
一同はそれを回避するものの、それが直撃した地面は明らかに抉れており、これまでのレーザーとは明らかに破壊力が異なっている事を痛感させられた。
「つっ、なんて破壊力……これまで以上に被弾は避けないと」
「全ての兵器が吸収しているという訳ではないけど、それだけに靄を吸収している兵器を最優先に破壊しないと不味いわ」
「なら今度はこれで!!白銀の昇華」
涙名と空狐が攻撃の威力に動揺する中、天之御はこう叫ぶと目の前に白銀の波を放って多数の兵器に対して波を当てて行く。
すると波が当たった兵器は直様其の場に崩れ落ちていく、だがそれだけではない。
兵器が纏っている靄も同時に浄化していく。
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