第1308話 激闘の戦鐘
「魔王妖術……紫雲の旋風!!」
天之御はそう叫ぶと周囲に紫色の凄まじい風を巻き起こし、周囲に群がっていた兵器を纏めて吹き飛ばし出入り口付近への到達を防ぐ。
巻き上げられた兵器が地面に叩きつけられ、破損していくと其の中からやはりというべきか、例の青色の制御装置が其の姿を表す。
「あの制御装置はやはり……となると恐らくは……」
「恐らくはじゃないよ、間違いなく赤色の制御装置も存在している」
涙名が確認する様な口調で話すと別の兵器が破損した部分を指差す。
その先には赤色の制御装置が存在しており、既に制御装置が二種類有る事は明白であった。
「赤色の制御装置……やはりこの兵器達も妖術、魔術何方とも敵対する事を想定しているの……外見はこれまで交戦してきた兵器と然程変わらないというのに……」
「確かに外見は変わらないけど、内部の構造は異なっている部分も有るよ。
この戦いが終わったら調査する必要がありそうだ」
「今はそれよりも迎撃を!!コイツラを通したら調査も何もあったものじゃないのよ」
空狐と涙名が兵器の調査を考えるが、星峰はそんな二人に発破を掛ける。
無論二人も其の事は承知はしていたが、星峰には少々緊張感を欠いている様に見えたのだろうか。
それを察したのか涙名も
「そうだね、まずはこの場を切り抜けないと!!」
と気合を入れ直し兵器の集団に接近していく。
そして爪を立て
「暗色の爪……切り裂き穿け!!」
と言って其の爪で兵器を切り裂き、時には突き刺して次々と破壊していく。
「格闘戦なら私も負けては居られない!!」
岬はそう言うと涙名の後を追い自身も又両手両足に妖術を込め、接近した兵器をその拳や足で次から次へと破壊していく。
だが其の中には当然赤制御の兵器もあり、其の兵器に当たった瞬間にそれまで流れる様な動きを見せていたのを止められてしまう。
「くっ、やはり赤制御には止められる……でもね!!」
だが岬とてそれを考えていない訳ではない。
直後に其の兵器の上に登り、兵器の視界から消える事で反撃を避け、其の混乱の鋤をついて続いてきた涙名が兵器に爪を突き刺す。
一方の岬は素早く妖術を再度纏い他の兵器に対して次の攻撃を開始していく。
「岬は格闘で蹴散らすって訳か、なら俺はこうだ!!」
岬と涙名の連携を見ていた八咫はこう叫ぶと
「黒羽の矢よ、撃ち穿け!!」
と言って矢の形をした黒羽を飛ばし、目の前に迫っている兵器を次々と蜂の巣にしていって其の場に崩れ落ちさせる。
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