第1307話 兵器の行進

そしてその足で秘密基地を飛び出し、先程やってきた地下への入り口へと向かう。

入口付近には以上が見られなかった事から岬は


「まだ入り口までは到達していないようですね、最悪はここで殲滅しなければ……」


と現状の確認を行うが、それに対し八咫が


「それはあくまで最悪だろ!!ここに到達された時点でほぼアウトだ、それに兵器の中に赤制御が混じってる可能性だってある、もし一体でも其奴が外に出てきたら……」


と檄を飛ばすと岬も


「ええ、分かっているわ。

赤制御がここに出てきてしまったら秘密基地の防衛部隊で一度に防衛出来るのは精々数体が限界、もし勢いで押し切られたら終わりだって事は」


とあくまで現状を確認しただけであるという事を告げる。

最悪はと言う発言が八咫には気が緩んでいる様に映ったのだろうか?こう反論した岬に対して八咫は何処か安堵の表情を浮かべている様にも見えた。


「それよりも今は早く迎撃に向かわなければ!!星峰、空狐、涙名、君達と僕は赤制御を最優先で破壊するよ!!逆に言えばもし万が一僕達の中から欠員が出ればそれだけで突破される危険性が飛躍的に上がってしまうと言う事を常に念頭に置いておいて」


天之御がそう呼びかけると星峰は


「ええ、この秘密基地にも通常兵器は配備されているけどその数は通常の施設に比べれば非常に少ないと言わざるを得ない。

その分性能は上とは言え、数で押し切られれば非常に巻き返しは難しい、コレを念頭に置いて戦う必要があるわ」


とその言葉を補足しつつ、自らもその点については自覚している事を確認する。


「さあ、行きましょう!!」


空狐のその発言と共に一同は遺跡の内部に突入する。

だがその直後に一同の目に飛び込んできた光景は


「な、何なんだよコレ……」


と八咫が驚嘆した表情を浮かべた事に表れている様に動揺を抱かずには居られなかった。

先程は何も無かった遺跡の大部分におびただしい数の兵器が表れており、一同の視界の殆どを埋め尽くして侵攻してきていたのだ。

その光景は蟻の行進のような物だと言えればいい、だが行進しているのが兵器である以上悪夢としか、いや、悪夢という言葉すら生温く思えるレベルであった。

もし彼等が天之御とその側近でなければ等に尻尾を巻いて逃げ出していたかもしれない。

だが天之御達はその光景を目にして尚


「嘗て生命が居住していた加護されるべき場所まで蹂躙しようというのか、太古の厄災は!!」


と逆に戦意を燃やしていた。

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