第1277話 届かない力
「ちっ、早くも大型兵器も出現かよ!!どうやら此処はそこまで重要な場所みたいだな」
モイスが発したこの発言は一瞬皮肉の様にも聞こえる、だがモイスは、いやコンスタリオ小隊はこれは皮肉ではなく本心からの発言である事を確信していた。
最重要機密が漏洩したのであれば早急に破壊するというのも又常套手段であるためだ。
それを証明するかの様に目の前の大型兵器は中心部に備え付けられたビーム砲をコンスタリオ小隊目掛けて撃ってくる。
「くっ!!じっとしていては的になるだけね……」
シレットがそう発したと同時にコンスタリオ小隊は散会し攻撃を回避する。
だが兵器はそのまま銃口をコンスタリオに向けてさらなる攻撃を行おうとする、それを見たシレットが
「隊長!!くっ、サンダー・シュート」
と言って兵器に小さな雷撃を放ち攻撃し、其の攻撃は確かに兵器に命中する。
だが其の雷撃は兵器に傷をつける事すら出来ない。
いや、それ以上であった、シレットの目は見逃していなかった、兵器に着弾した筈の雷撃が着弾した瞬間に威力を失い、其の内部へと吸収されてしまったのを。
「雷撃を吸収された!?今のは……」
目の前で起こった事を理解しきる事が出来ず、シレットは思わず困惑した声を上げる。
「今の、只の見間違いじゃねえよな、確かに雷撃は命中した筈だ、なのに……」
「一体何が起こったというの、くっ!!」
モイスとコンスタリオも又其の一連の流れを完全に理解しきる事が出来ずに動揺した声を上げる。
その動揺を見逃さなかったのか兵器は右手に装着された機関銃をシレットに向けて放ってくる。
「つっ、ああっ!!」
先程の一連の流れで動揺してしまった事が動作にも現れてしまったのか、シレットは機関銃を避けきる事が出来ず掠めた程度ではあるものの被弾してしまう。
「シレット!!このまま攻撃を集中させる訳には」
コンスタリオはそう言うと兵器に接近し
「バースト・キック!!」
と言って足に魔力を込めて右手の機関銃を攻撃しようとする、だが其の攻撃は機関銃部分に足を叩きつけたと同時に鈍い金属音を立てただけに終わってしまう。
そればかりか蹴った筈のコンスタリオの表情に寧ろ苦悶が現れている。
兵器はそのまま右手を払い、機関銃を止める事こそ成功したものの今度はコンスタリオが室内を舞う事になってしまう。
「隊長!!」
モイスとシレットがコンスタリオの舞っている方に駆け寄り、それを確認したコンスタリオが受け身で着地すると
「今のは……魔力を吸収された!?」
という声が其の口から発せられる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます