第1276話 閉ざされる道、開かれる道
「ただ、その対抗手段というのが具体的にどの様な形なのか、その点が記載されていないのが気になるな。
只単に対抗するだけなのであれば俺達が普通に戦ってもそれなりに拮抗していた筈だ。
それが出来ないというのは一体……」
「そうね、その点は確かに気になるわ、魔力と妖力で対抗するというのであれば私達が魔神族と戦っていても同様の事象は引き起こせる筈、にも関わらず兵器にこんな非人道的な装置を組み込む必要があるなんて不可思議過ぎる」
モイスとシレットがそれぞれ口々に対抗する力であるという記述についての疑念を口にするとそこにコンスタリオが
「……もしかしたらスターが言っていた魔神族の攻撃が効かなかった兵器となにか関連性があるのかもしれないわね」
と告げるがそれと時を同じくして外から先程よりも更に激しい爆発音が響いてくる。
「ちっ、さっきより爆発音が強くなってやがる!!此れじゃ外がどうなってるのか想像がつかないぜ」
「対抗手段であるという事以上の記述はこのデータルームには記載されていないわ、それに他のデータは既に先程のデータルームで入手したものばかり、恐らくはこのデータルームで行われていたのは件の発光体についての研究と考えてまず間違いないわ、だとしたら此れ以上の長居は無用よ」
モイスが危機感を募らせ、コンスタリオがこう叫んで立ち上がるとシレットは
「外の様子を確認しに行きましょう!!」
と言ってデータルームの入り口を明け、一番近くにある通路の出入り口へと目をやる。
するとその扉こそ開きはしないものの外からは機械音が凄まじい音量で鳴り響いており、外に兵器が密集しているという事は最早疑い様のない事実であった。
「迂闊に扉を開けると蜂の巣にされるのは請け合いですね……だけどかと言って引き下がれる場所もない……どうします?」
「どうするもこうするも、こっちから脱出するのは不可能ね……だとしたらあっちから行くしか無いでしょう!!」
シレットがコンスタリオに尋ねるとコンスタリオはこう明言し兵器生産プラントの方に向かっていく。
「まあ、やっぱりそうなるよな、そしてそれ以外に方法がねえってのも分かってるけどよ」
モイスがそう呟いた後、シレットも黙って頷いてコンスタリオの後を追う。
そしてコンスタリオが兵器生産プラントの窓ガラスを蹴破った後。生産プラント内部へと降り立つ。
だが今回は前回とは兵器の対応も明らかに違っていた、コンスタリオ小隊が降り立った直後にすぐさま目の前に大型兵器が出現したからだ。
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