第1246話 悍ましき記録
其の一覧の数は発見した嬉しさを遥かに上回るおぞましさを感じさせた。
「これだけの兵器のデータが記録されている施設……もし此れが全てこの施設で生産されているのだとしたらおぞましい事この上ないわね……」
「ああ、それにこの兵器、擬態兵器や生体制御装置を組み込んだ兵器まで記録されてるって事はだ、もしそれを作り出す生産プラントが今目の前にあるやつだけなのだとしたら放置しとくのは危険だと思うが……」
コンスタリオも又、其のデータの一覧に危険性を感じずには居られなかったが、同時に直後にモイスが発した言葉で
「つまり、破壊した方が良いという事?それとも生産プラントが他の場所にもあるという事なの?」
と確認を取らずには居られなかった。
それに対しモイスは
「その両方だ、だが現時点で破壊するとブントに繋がる手掛かりも又失うことになる可能性があるってのも事実なんだよな。
其の点を考慮しつつ、今後の方針を決める必要もあるだろう」
と返答する。
其の返答にコンスタリオとシレットは納得した表情を浮かべつつも
「まずはこのデータを調べ尽くすのが先決よ、此処から先を調べなければ」
とまずはデータを調べるのが先決であると告げる。
「なら折角表示されたんです、擬態兵器や整体制御装置を組み込んだ兵器のデータについて調べてみましょう。
この二種の兵器は特に此れまでデータが入手出来ていない兵器である以上、ここでデータが入手出来るのは大きいと思うわ」
シレットがそう告げ、データの入手を最優先するべきであると告げた事にコンスタリオ、モイスも納得した表情を浮かべデータの確認を再開する。
コンスタリオはシレットの進言通り、此れまで特にデータが入手出来ていない義チア兵器と整体制御装置兵器を特に重点的に調べる事を決め、まずは擬態兵器についてのデータにアクセスする。
「此れが擬態兵器のデータね……構成されている素材からして最早此れまでの兵器とは全く違うものだわ。
少なくとも人族の施設でこの素材のデータは確認出来ていないわ、私が持っているデータ全てと照合してみたけど一致するものは疎か、僅かでも掠ったデータすら全く確認出来ない」
「隊長が持っているデータと照合出来ないという事はつまり、少なくとも人族にとっては全く未知の素材で出来てるって事になるのか?」
「人族だけじゃない……魔神族側のデータにも存在しているのかどうか正直怪しい部分があるわ。
それ以前にそんな物がどんな形で入手出来るのか、其の点がまず問題よ」
擬態兵器のデータを少し見ただけでもこれだけの疑問が浮上してくる。
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