第1245話 辿る先に行き着く先

「ここからは私達の施設では生産されていない兵器ね、恐らくは先史遺産の施設で生産されているもの……だけどこの段の兵器は其の下の兵器と比べても特別に優れているという様な印象ではないわね」

「ええ、何方かと言うと先史遺産で入手したデータを元に外の施設、つまり今の技術で再現した様な、そんな気がしますね」


データの内容を確認したシレットとコンスタリオはそれぞれ感想を述べる、其の言葉が示す通り、目の前に表示されているデータの詳細は先程のデータとさして違いは見られなかった。


「入手したデータを元に試しに使ってみたって所か、だとしたらあまり長く調べる必要はないんじゃねえか?」


モイスは先に進むように急かすが、コンスタリオは


「それでも一応調べておくべきだとは思うわ、調べていなかった為に思わぬ落とし穴に落ちるなんて事も考えられなくはないもの」


とモイスを諭し、そのままデータの確認を続行する。

するとコンスタリオの予想があたったのか一つだけここで枝分かれが止まっている兵器が見つかる。


「この兵器はこれ以上枝分かれしていませんね、ここで生産が止まっているということでしょうか?」

「いえ、このデータの詳細から考えると恐らくこの兵器は先史遺産の技術を用いなければ生産出来ない兵器なんだと思うわ。

この武装部分の組み込み方と用いられている部品の一部、此れは今までの兵器には見られなかった部分よ」

「つまり、この兵器は外の世界の技術では再現出来ていないという事ですね」


其の兵器のデータから先史遺産の兵器は其の全てが外に持ち出されている訳ではないという事をコンスタリオ小隊は理解する。


「だとするとよ、この枝分かれの先を辿っていけば厄介な兵器まで辿り着けるんじゃねえか?」

「確かに其の可能性はあるわね、モイスの仮説通りこの先にある兵器に先史遺産の恐ろしさが秘められているのだとすればそれを知る事が今の私達に出来る最優先事項、辿るわよ」


モイスの仮説を受けたコンスタリオはその仮説に従って更に兵器のデータの調査を続行していく。

そして更に上段のデータを確認すると其処にはここまで記載されていた小型、大型兵器だけでなく更に細かく分類されたデータが記載されていた。


「ここからデータの数が一気に増えてやがるな……いや、正確にいやあデータの数じゃねえ、兵器の数が一気に増えてやがる」

「それも小型や大型だけじゃない、擬態兵器や整体制御装置を組み込んだ兵器もある……」


モイスとシレットが上げた声は明らかに困惑しており、兵器に動揺している事が伺える。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る