第1236話 都市という魔界

すると其の予感が的中したのか、道路らしき場所から突然触手の様な物が現れ一同を絡め取ろうとする。


「つっ、言ってる側から来たって訳か!!」


八咫がそう告げると岬は迫ってくる触手に対し妖術を込めた蹴りを入れてたじろがせる、どうやらこの触手には妖術も有効な様だ。


「この触手には妖術が効くのね、ならやりやすい!!」


岬はそう言うと触手に対し攻撃を連打し元いた道路へと追い込んでいく。

そして完全に戻りきった所で


「終焉への堕落!!」


と言って足に黒い妖術を纏わせて強烈な蹴りを入れ、その触手を完全に破壊する。


「触手の破壊は完了ですか……しかし、この触手の中からは見当たりませんね」


触手を破壊した岬がそう告げると八咫は


「何が見当たらないんだ?」


と問いかける。

其の問いかけに対し岬は


「さっきまでの兵器に搭載されていたあの青い光よ、それが無いと言う事はやはりあの兵器の青い光が妖術を吸収する技術が使用されていたとしてまず間違いないと思うわ」


と先程までの兵器に搭載されていた部品が見当たらないという趣旨の発言である事を告げる。


「それは確かに其の通りだね、そしてそう考えられるのであればそれなりに大きな平気でなければあの部品は搭載出来ないのかも」

「部品自体があの大きさ以上でなければ機能しないというのであればそういう事になるわね」


涙名と星峰もこう告げた事で問題の部品に対する疑念は更に深まった形となる。


「あの部品、本当に一体何の為に用意されているの……それに遺跡の、それも居住区と言って差し支えない場所には配備されていない、恐らくは対魔神族用の平気なのでしょうけど……」

「それをコンスタリオ小隊が調べてくれるのを祈るしか無いわね、とにかく私達は先にこの遺跡を調べるわよ」


空狐が尚も疑問を口にすると岬はそれを振り払う様な強い口調で発言する、勿論それは彼女自身も同じ気持ちを内心に抱いているという事に他ならないのだが。


「ええ、先に進みましょう、私達に立ち止まっている時間はないわ」


星峰が発破をかけると岬と空狐もとりあえず納得した表情を浮かべ、其の足を先へと向けていく。


「周辺に気をつけて、何処からか妙な監視を受けているかも知れないから」


涙名がそう告げると八咫も


「ああ、既に此処は敵地だからな、何が出てきても不思議じゃねえ」


とそれに同意する。


「さっきの擬態兵器の事もあるからね、本当に警戒しないと……それにあの擬態兵器も明らかにこれまで戦った兵器より強かったわ」


岬がそう告げた事で一同の中にある緊張感は更に増していく。

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