第1211話 青い魔晄

「制御装置!?それって一体どういう事なんです!?」


余りに飛躍した回答にシレット、モイス共にこの敵地の真っ只中に置いても大声を出さずには居られない。

そんな二人に対しコンスタリオは


「この青い光を発しているのが微生物であれば当然それは生命として存在しているという事になる。

そしてブントは生命を兵器の制御装置とする技術を保有している、この二点を統合すると考えられない話ではないわ」


と其の理由を説明する。

それを聞いたモイスは


「確かに其の可能性はあるな……流石にこのサイズの兵器に人族や魔神族を組み込むのは例え赤子でも不可能だ。

それを行うとなると微生物を作り出すしか無い、だがそれをやる利点が何かあるのか?」


と納得はしつつも新たな疑問を其の口にする、それに対しシレットは


「あるのかも知れないし無いのかも知れない、それはここから先に進んで行けば分かるかも知れないし分からないかも知れない。

呼び止めておいてこんな事を言うのも言い得て妙ですが、ここは先に進んだ方が良いと思います」


と一同に対し先に進む事を提案する。

それを聞いてコンスタリオは


「そうね、ここでこれ以上考えても暗礁に乗り上げてしまうだけね、考えるにしても少なくともこの先に進みながらにしましょう」


と返答し先に進もうというシレットの提案に賛同する。


「確かにそれが一番いいのかもな」


モイスも賛同し、誰も其の提案に対し反論するものは居なかった、否、正確に言えば反論のしようが無かったのだ。

ここで思考しても先程コンスタリオが指摘したとおり、暗礁に乗り上げてしまうだけというのが分かりきっていたからだ。

それが分かっているからこそ、一行は先へと進んでいく。

更に先に進んでいくと其処でコンスタリオ小隊は又しても兵器と遭遇し足止めを食らう。


「ちっ、又兵器が出現したか!!」


モイスがそう叫ぶと同時に兵器は一行に向かって攻撃を仕掛けてくる、更に其の狙いは極めて正確であった。


「この正確な狙い……やはり生命を制御装置とする兵器に見られる特性ね……それを踏まえると、さっきの隊長の仮説は当たっているのかも知れない」


シレットはそう言うと兵器の攻撃を躱し、すかさず雷の魔術で反撃して兵器の関節部分を破壊し、それを地面に叩きつけさせて大破させる。

すると其の兵器の中から先程の兵器と同様の青い発行体が出てきたのが確認出来た。

それを確認するとシレットは


「やはり発行体が確認出来た……と言う事はつまり、隊長の仮説通りなの?」


と先程のコンスタリオの仮説の信憑性が高まった事を実感として感じる。

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