第1206話 地面よりの悪意
地面に亀裂を生じさせ、其処から出現した何か、それは大型兵器ではなく、明らかに施設の体を成した物体であった。
「これは……地下から巨大施設が浮上してきた!?」
「この状況を見る限り、そうとしか言い様がありませんね……」
コンスタリオが困惑した表情で告げるとシレットもそれに同意し、目の前に現れた物が巨大施設である事を改めて確認する。
その施設はこれまで先史遺産の地下遺跡で見てきた施設やブントの拠点となっていた施設と同様の技術で作られた物であろう事は容易に想像出来る物であった。
「外見を見るだけでもこの施設が明らかに先史遺産の文明、技術を用いて作り出された事は明らかだな、だがこれが地下から地上に上がって来るなんて事は今まで一度も起こらなかった事だ」
「今まで一度も起こらなかったとしても今こうして目の前に起きている、いえ、引き起こされたと言うべきなのかもしれないわね、つまりそれはそこまでの事をしなければならない程の事態が起こっている事でも有る」
「つまりこの施設の中に今回の兵器の襲撃の意図が隠されているのかもしれないという事ですね」
「ええ、そしてそれを証明してくれそうな証人も出てきたわ!!」
施設を見たコンスタリオ小隊の面々がそれぞれ思い思いに感想を述べ終えると同時に施設の入口から外に居る物と同型の兵器が出現し、更に周囲を屯していた兵器もコンスタリオ小隊の元に集まろうとする。
だが周囲を屯していた兵器達は直後に何かに貫かれて其の場で機能を停止させ、コンスタリオ小隊の元に迫ってくるのは入り口から出現した兵器のみとなる。
「周囲の兵器が……まあ、そうなるのは必然よね」
周囲を見渡していたコンスタリオが兵器の機能停止を確認しながら兵器に対して格闘術を仕掛け、迫ってきた兵器を破壊する。
其の直後に次の兵器がコンスタリオに迫り、シレットとモイスがそれを確認すると
「隊長!!新手が……」
と告げるが其の直後にその側を飛ぶ斬撃が掠め、兵器に直撃して両断する。
「今の攻撃……彼女達が来たのか?」
「彼女と呼んでくれる位には私を認識してくれたって事で良いのかしら?」
モイスの呟きに対し反応する声が聞こえた為コンスタリオ小隊が声が聞こえた側に目を向ける。
するとそこには星峰、空狐を筆頭にして天之御達魔王陣営の面々が立っていた。
「先に来ていたのに私達の方が此処を早く見つけるなんて、場所が良かったのかしら?」
「そうかも知れないし、違うかもしれないね」
コンスタリオが少し茶化した様な表情で告げると天之御もそれに返す様に茶化した表情を浮かべる。
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