第1205話 待ち受ける驚異
そして少し先に進んでいくと再びコンスタリオ小隊の前に兵器が立ち塞がる。
「くっ、又兵器が出てきたわね……それにしてもこれだけの兵器が何処から何故此処に集結する必要があるのか、其の点が本当に不自然だわ」
「此処に何か隠し通したい物があるのか、それとも他に理由があるのか、何れにしても此処は徹底的に調査する必要がありそうだな」
コンスタリオとモイスが兵器の出現に対し意見を述べているのを尻目にシレットは
「サンダー・ブラスト!!」
と言って広範囲に雷撃を放ち、一気に兵器を殲滅する。
「シレット……貴方……」
「さあ、急ぎましょう!!」
コンスタリオが何かを言いたげな表情を浮かべるとシレットはそれを遮るかのように先に進む事を提案するが、其の様子からシレットに焦燥感が浮かんでいるのは明らかであった。
表面上は平静であるが、やはり育った場所に兵器が現れた事、其処に何かが隠されている事を実感させられると心中穏やかでは居られないのだろう。
それを察しているからこそ、コンスタリオとモイスも何も言う事が出来ずに只黙っているしか無いのである。
そんなシレットを一人にしておくのは危険すぎると思い、コンスタリオとモイスも急いで後を追っていく。
それが今の彼等に出来る唯一にして最大の支えであったからだ。
だが暫く行くとシレットが立ち止まり、其の前方に多数の兵器が確認出来る。
「シレット、あれは……」
「分かりません、私が此処に来た時は既にあの兵器達は此処に集結していました。
ですがあの様子、只事ではないような気がします」
先を急いでいたと思われるシレットが立ち止まり、目の前に集まる兵器を見ながら総発言する。
シレットがそう思ったのは其の兵器の数ではなく、行動に異様さを感じたからだ。
シレットが近付いているにも関わらず此方に接近してくる訳でもなく周辺をウロウロしている光景、それは明らかに何かを守ろうと、警護しようとしているのであれば合点がいく光景であった。
「あの兵器達の動き、明らかに異様ね……何か起こりそうな気がするわ」
コンスタリオがそう告げた次の瞬間、まるでその言葉が現実化したかの様に地面が揺れ始める。
「地震!?いえ、こんなタイミングで都合よく地震が起こる筈が無い……必ず何か意図がある筈……だとしたらこの地震こそが!?」
コンスタリオがそう口にすると同時に兵器が警護しているエリアの中心部分の地面が隆起してくる。
「地面が盛り上がっている!?何か出てくるのか……」
モイスがそう告げると同時に地面に亀裂が入り、その亀裂から何かが出現する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます