第1204話 もう一つの剣

「爆発音!?反対側にも兵器が居るというの?いえ、兵器はいても不思議では無いけどそれだけで爆発音が起きるとは思えない。

考えられるのは其処に何か見られたくない物があるのか、或いは……」

「彼等が来てくれたか、だね」


空狐が困惑した声を上げるが、その表情は言葉が進むにつれて何処か余裕を帯びてくる。

そして其の理由は最後に天之御が見せた笑顔に集約されており、空狐の顔もそれに合わせて笑顔となる。

そしてそれに星峰も合わさった事がその笑顔が一同にとって決して楽観ではなく、確かな手応えある希望を感じさせる事実である事を暗示していた。

其の爆発が起きた場所では地上に居る兵器に対し上空から攻撃が行われていた。

先程の爆発は上空からの攻撃によって兵器が破壊された為に発生したものなのだろう。

そして其の攻撃を行っているのは


「シレット、モイス、地上に居る兵器はある程度破壊出来たわ。

飛空艇はこのまま攻撃を行わせつつ、私達は地上に降下するわよ!!」


と飛空艇のブリッジにおいてシレットとモイスに指示を出しているコンスタリオであった。


「はい!!地上の兵器の数に驚かされて降下する準備を整えるのに手間取りましたが、その分はこれから取り戻さないと!!」

「それは良いが、あまり気負い過ぎるんじゃないぞ。

あの兵器については未だ良く分かっていない部分も多いんだ!!」

「モイスに其処まで心配されるなんて、やはりここが私の育った場所であるという事実は想像以上に影を落としているのかも知れないわね」

「軽口は其処までにしておきなさい、さあ、行くわよ!!」


モイスとシレットが軽く会話を交わした後、コンスタリオ小隊は地上へと降下していく。

そして地上に無事着陸すると飛空艇の攻撃が続いているという事もあり、其の周囲に兵器は寄り付いてこない。

無事に迎撃出来ているようだ。


「今の所飛空艇の攻撃で兵器は破壊出来ているな、だけどよ……」

「ええ、この光景は異様過ぎるわ……明らかに昨日今日破壊された訳ではない瓦礫の山、これがずっと放置されていたなんて不自然過ぎる」

「何れにしても此処を調べれば分かる話です、行きましょう!!」


モイスとコンスタリオも又、この場所に山積みになっている瓦礫に不自然さを感じずには居られない様だ、そんな二人に対しコンスタリオは先を急ぐ事を提案する。

だが其の様子はやはり何処か気負っている様にもモイスとコンスタリオには映る。


「シレットの言うとおりかも知れないわね、此処は先に進みながら考えましょう」


コンスタリオはそう告げるとモイスと共に先に進もうとするシレットの提案を受け入れる。

最もそれは此処に留まっていては兵器の的になるかも知れないという不安を踏まえての事でもあった。

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