第1202話 疑念纏う襲撃

「ああ、それに兵器が襲撃してきているのであればそもそも其の点から放置しておく訳にはいかん!!

独自行動の許可も残っているが、それ以前に司令として指示を出す。

直ちに現地に向かい兵器を殲滅せよ」


司令官の其の言葉を聞くと一同は顔を見合わせて頷き、直ちに部屋から外に出て止めてある高速飛空艇へと向かう。


「僕達は先に転移妖術で現地に向かうよ!!そこで合流しよう」


既にコンスタリオ小隊は部屋の外だが、確認するかの様に天之御はそう告げると同時に転移妖術を使って現地へと移動する。

そして一同が現地に移動し終えると其処には既に兵器が出現していた。


「つっ、あの短時間でこれだけの数が出てくるなんて幾ら何でも可笑しすぎる……どれだけ周到に準備していたの?」


岬がそう驚いた声を上げるのも無理はなかった、それだけ其処には多数の兵器が出現していたのだ。


「この兵器達がもしブエルスに侵攻してきたりしたら大変な惨劇になる可能性もある、其の点も含めて放置する訳には!!」


星峰の其の言葉には其の場に居た全員が同意する、だが天之御、空狐、涙名は其の言葉の中に言葉そのものの意味とは異なる何かが秘められている様な、そんな印象を抱いていた。


「星峰……ブエルスへの飛び火からあの時の事を思い出しているの?」


空狐はその内心で星峰の言葉の裏側に秘められている物がブエルス防衛戦の悔恨ではないかと予想していた。

そう話している間にも兵器が接近し攻撃してくる。


「つっ、話すのは後よ!!まずは目の前の兵器を倒さないと」


星峰はそう告げると剣を抜き、兵器に接近して攻撃していく。

其の攻撃は何時もより明らかに制度、速さが正確である事は誰の目から見ても明らかであった。


「皆、星峰に続くよ!!この兵器達をここから出す訳にはいかない!!」


天之御の其の言葉に他の面々も兵器との交戦を開始する。

以前襲撃してきた新型の兵器とはいえやはり一同の敵ではなく、其の力は難なく兵器を退ける。

涙名の爪が兵器を貫き、岬の格闘術が兵器を折り曲げ、八咫の羽根が兵器の動きを縛る。

そして空狐と天之御の妖術が兵器を破壊していく。

周辺に出現していた兵器を破壊した所で一同は改めて周囲を見渡す、すると其の周辺の光景に一同は改めて疑問を感じざるを得ない。


「周囲は破壊された建物や其の瓦礫だらけですね……初めは兵器の攻撃でと思いましたがこの瓦礫の状態、昨日今日破壊されたものではありませんね」

「ああ、明らかに数年前に破壊されてそのまま放置された瓦礫だ」


岬と八咫のこの言葉に一同が感じた疑問の全てが集約されていた。

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