第1175話 地下遺跡に巣食う悪意

「霊諍、君達は念の為にこの施設の防衛をお願い、僕達は兵器の迎撃に向かう!!」

「分かりました!!どうかお気を付けて」


天之御の言葉を受けて霊諍は司令室の面々に対し


「敵は此方にデータが殆ど無い兵器だ、無理に迎撃しようとせず此方の防戦を最優先に考えて部隊を編成、くれぐれも深追いはしないように警告して!!」


と指示を送り、それに対して司令室の面々が


「了解!!」


と返答したのを確認すると直様


「僕自身も司令室に向かい現状を把握します、もし何か動きが見られたら連絡します」

「頼んだよ!!あの兵器の解析はこの秘密基地の設備でないと大幅に遅れを取る事になる、今ここを、そして君達を失う訳には行かないんだ」

「例えそれがなかったとしても此処を失いたくはありません、もう父の様な惨劇と思いを繰り返すのは嫌ですから!!」


と天之御とやり取りを行い、部屋を飛び出して司令室の方へと向かう。


「私達も行くわよ!!」


星峰がそう合図を取ると一同は首を縦に振り、直様転移妖術で進行しつつ有る兵器の集団の元へと移動する。

そして移動を終えると一同は周囲を確認するが、まだ兵器は到着していないのか兵器の姿は見られない。


「まだ兵器の姿はないわね……けどこれは……」


周囲を見渡した空狐は周囲の状況を見て少なからず困惑した声を出す。


「ええ、以前とは明らかに違う……此処は前回の調査で向かった最も遠い場所、方角から言えばブエルスの方面になるわ」


星峰がそう告げると他の面々も空狐と星峰の違和感についての言及を始める。


「以前の此処は怨念のような物が渦巻いているような印象だった、それに周囲の建物の雰囲気も違う……まるで建物が怨念を取り込んだみたいに邪念が包んでる……」


涙名がそう告げると同時に件の兵器達がその場に出現する。


「来ましたよ皆さん、迎撃体制を!!」


豊雲がそう告げると同時に一同は交戦体制を取り、兵器の方へとその視線を向ける。

そして武器や妖術の構えを取り


「分かっているとは思うけど敢えて言うよ!!

こいつらを地上に出す事は何としても阻止しなければならない、もし一体でも外に出したら大混乱を招く可能性があるんだ」


という天之御の声を皮切りに一同は兵器に対して攻撃を開始する。


「ここから先に通す訳には参りません!!」


豊雲はそう言うと兵器の中心部に槍を突き刺し、そのまま貫いて破壊する。

だがその直後、破壊された兵器の破損箇所が黒く染まり、周囲の建物も同様に黒く染まる。

そしてその黒は破損箇所を復元し兵器を復活させる。

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