第1158話 退路なき戦い

そして中に突入したものの、当然のように其処にも兵器が密集しており、一同が先に進む鋤を与えない。


「くっ、これだけの兵器が来るなんて……この発掘現場は一体どうなっているの?」

「今それを話している場合じゃありませんよ!!第一此奴等がもし外に出てタウンに接近してきたら……」

「いや、それが既に起こってるからこんな事になってんだろ!!魔王陣営が助太刀に来てくれているとは言え、各タウンが既に兵器の襲撃を受けているって言う事実は変わんねえんだ!!」


内部に突入するも兵器に足止めされて先に進めないコンスタリオ小隊、その状況は今其処に迫っている危機を体現しているようにも思えてくる。


「くっ、このまま接近を許したら他のタウンと同様この発掘現場もブントの手に落ちる、或いは既に落ちているのかもしれない……だとするとここを放置したのは痛恨のミスね……」

「今それを話していても仕方ねえだろ!!それよりも早く先に進む事を考えるしかねえぞ!!」


コンスタリオが動揺した声を上げるとそれを察したのか、モイスはあえて厳しい言葉で叱責する。

其の言葉でコンスタリオも気がついたのか


「そうね……其のミスを挽回する為にもここを突破しなければならないわね、私達に情報を渡してくれた魔王陣営、スターの為にも!!」


と言い、これまで以上に鋭い格闘術で兵器を次々と破壊していく。

迷いを吹っ切ったのか、其の攻撃は一撃一撃が兵器を打ち砕いていく。


「流石隊長ね……私達も続かないと!!」

「ああ、其の通りだな!!」


シレットとモイスもそんなコンスタリオに触発されたのか、これまでにない正確な精度の射撃、魔術で兵器を退けつつ先へと進んでいく。

だが兵器も其の数を次々と増やしていき、其の数は無尽蔵である事を伺わせる。


「くっ、まだ兵器が来るの……いや、どれだけの数がこの発掘現場に送り込まれているというの……」

「もしかしたらこうしている間にも兵器が生産され続けているのかもしれねえ……今までの先史遺産の遺跡もそうだったからな」


これまでの先史遺産の戦いから嫌な記憶を思い出すものの、それでもコンスタリオ小隊に引き返すという選択肢は無かった。


「そうだとしても私達に選択の余地はもう無いわ、後ろも既に塞がれているもの」


コンスタリオがそう告げると同時に其の言葉通り後ろからも多数の兵器が現れコンスタリオ小隊の退路を塞ぐ。


「元より引き返す気なんて無いけどね……でも、これで腹は括れたわね!!」


コンスタリオは改めてこう叫ぶ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る