第1159話 生命の息吹無き場所
其の叫びと共にシレットとモイスが前方の通路に密集している兵器に銃弾と魔術を合わせ技で放ち、兵器を吹き飛ばして道を作る。
其の鋤をついて一気に突破し、更に発掘現場の下へと降りていく。
すると其処には居住区らしき空間が広がり、発掘に用いられていたと思われる機械も置かれていたが居住区も機械もズタボロに破壊されており、其処から何かは調べられそうにない。
「これは……やはりさっきまでの兵器がこの破壊を行ったのでしょうか?」
「そう考えるのが妥当な線ね、生命の姿は見えないけど居住区があり、発掘に用いられたと思われる機械も見えるもの。
そしてこの銃痕、ついたのは明らかに先程よ、兵器以外にこんな銃痕をつけられる存在が居るとは思えない。
一箇所二箇所ならともかく、これだけ蜂の巣になっているとなると、兵器が行ったとしか思えない」
「だとしたら、あの兵器の行動目的には発掘の証拠隠滅も含まれているのかもしれねえな。
或いはここに生命が居ると早合点したか」
周囲に兵器が見つからないこともあり、コンスタリオ小隊は破壊された居住区を見渡して仮説を立てる。
「資料とかも穴だらけですね……兵器が居ないので休む事は出来ますが何か情報を得るというのも難しそうです。
この資料を復元するのは略不可能でしょう」
壁の棚に置かれていた穴の空いた資料を見ながらシレットはそう呟く。
最も、シレットの言っている事は極めて正論である。
壁の資料はどれも穴だらけになっており、何れも資料の体を成していない。
其の穴も大きく無数に開けられており、空いた部分の資料が何処に行ってしまったのかも検討もつかない。
「とにかく、少し休んだら次の兵器が出てくる前に先に進んだ方が良さそうだな。
それにここに来て兵器の追撃が止んでいるってのも見方によっては気になる。
ある意味戦力を温存して外で待ち構えてるって線も考えられるからな」
モイスがそう呟くとコンスタリオは
「そうね……ここの居住区自体が罠って言う線も考えられない話じゃない、先に進むわよ」
と言い、モイスとシレットに対し先に進む事を告げる。
其の言葉に対しモイスとシレットは黙って頷くとコンスタリオの後をついて先に進んでいく。
だが其の進路上にはモイスの予想通りと言うべきか、多数の兵器が待ち構えていた。
「やっぱり前方には兵器が大集合か……厄介な予感程的中する物だな!!」
モイスはやや皮肉交じりな口調で発言すると手に銃を構え、前方に集まっている兵器目掛けて銃を乱射する。
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