第1145話 無情なる戦場
「その言葉に偽りは無いみたいよ、見て」
岬のその言葉に対し八咫がその指定した方向を見渡すとそこには確かに兵士の言う通り、負傷した兵士と破壊された兵器、そしてそれらを蹂躙する敵対兵器の姿が多数見受けられた。
そしてその中の一団が此方に向かってくるのを確認した岬は
「此方に気付いたみたいね、このままじゃ部隊が壊滅するのも時間の問題だわ、迎撃するわよ」
と八咫に呼びかけ八咫も
「ああ、分かってる。
奴等の正体も分からねえのに好き勝手されるなんてのは真っ平御免だからな!!」
と言って交戦体制を取る。
兵器が機関銃や鎌を持ち出して攻撃を仕掛けてくると二人はそれぞれその攻撃を回避し、反撃に移る。
それぞれ兵器の中心部分に黒羽根や格闘術を叩き込んで返り討ちにするとそのまま兵器の集団へと足早に駆けていく。
「ちっ、結構な数が居やがるぜ……それにこの兵器、どう見ても明らかに先史文明の技術が使われてやがる」
「地下で自動生産でもされているのか、それとも生産した兵器を送り込む技術があるのか、何れにしても放置すれば大きな脅威になるのは粗確実だと思うわ」
八咫と岬はそう言い合うと兵器の集団に対し攻撃を仕掛け次々と破壊していく。
だが兵器の数は一向に減る様子が無い、寧ろ更に数を増しているようにも見える。
「一体この兵器は何処から出てきやがるんだ……部隊を後退させるにしてもそれが分からねえと蟻地獄の中に突っ込む事になっちまうぜ」
「ええ、上空からの映像も相変わらず乱れている、この兵器達が映像を見出しているのは粗確実よ。
そうだとするとこの兵器の出現元はこの地殻にある可能性が高いと思うわ、只……」
「俺から言い出しておいてなんだが、今それを話しても仕方ねえ、まずはこの場を切り抜けるぞ!!」
八咫との会話の中でそう激励を受けた岬は頷き、体制を立て直して兵器の集団に立ち向かっていく。
その周辺では兵士が次々と倒れており余談を許さない状況である事が伺える。
幸いにもまだ死傷者は出ていないものの負傷者は多数おり、何時それが死傷者になっても可笑しくはない状態である。
「次々と出現する兵器、恐らくは地下から出現している……ブントはその兵器との……いえ、今はそれを考えている時間もない!!」
岬は内心に浮かんでくる思考を振り払おうとする様に体を動かし、兵器を破壊していく。
八咫も同様にとにかく兵器を攻撃し、その上で兵士達の身の安全を確保しようとする。
だが無情にも兵器は更にその数を増やしていく。
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