第1132話 唐突に止まる海練
「そうね、今は殆どのタウンで戦力が出払っているから侵入するのも容易でしょうからね、只、一方でその点を配慮していないのかという部分については疑問をいだいておく必要があるわ」
「つまり、囮が仕込まれてるかもしれねえって事か……確かにその点は気を付けねえとな……」
囮の可能性を考慮しつつ、コンスタリオ小隊は南大陸内のタウンのデータベースにアクセスを試みる。
しかし、そう簡単に新規の情報は入手出来ない。
「流石にこの前の大捕物があった以上、それを超える発見は中々見つからないわね……」
「ええ、それに戦況が大きく動く可能性もある以上、あまり時間は掛けられない。
ここはある程度絞り込んでいくしか無いわね」
シレットとコンスタリオがそう告げると一行はデータベース内にアクセスを行いつつ、そのデータの範囲を絞り込んでいく。
そんな中、モイスが
「おい、これって……」
と言ってある部分に注目しようとするが、その瞬間に通信が入り
「コンスタリオ小隊、至急画面に注目せよ!!戦場に動きがあった!!」
というブエルス司令官の声が飛空艇内部に響き渡る。
その声を聞き、コンスタリオ小隊は直様作業を中断し目を画面に向ける。
西大陸やキャベルの司令であれば無視して作業を続けていたかもしれないが、ブエルス防衛部隊の司令である以上その指示が無視出来るものとはとても思えなかったからだ。
そして画面に目を向けると西大陸と東大陸から南大陸に迫りつつあった魔神族部隊の反応が完全に消失していた。
いや、正確に言えば生体反応は感知出来ているのだが兵器の反応が全て消失しているのだ。
「西と東から迫っていた部隊の兵器の反応が全て消えている?
しかも此方が兵を派遣している場所とは程遠い場所で……」
「生体反応がある事から考えても何方も此方の戦力と遭遇して全滅したとは思えませんね」
その状況を見てコンスタリオ小隊も困惑しているのか何時も通りの様に聞こえるその言葉も何処か違う動揺を感じさせるものになっていた。
それを聞いた司令官は
「動揺するのは無理もないが、現状で重要なのはその点ではない、反応ではなく画像、映像を確認してくれ」
と伝達しコンスタリオ小隊にそれらを見る様に指示する。
その指示を受け、コンスタリオ小隊は直様映像と画像を確認する。
すると三人は声を揃えて
「これは!?」
と驚嘆する。
「ああ……信じられんだろうが、これが今現在起こっている事だ、正直私も何が起こっているのか正確には掴めていない」
その後に続く司令の言葉もその驚嘆を裏付けていた。
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