第1118話 司令の立場
「宜しいのですか?それでは……」
「私の立場については心配する必要はない、今はそれよりもブントという組織、そしてアンナースについての事が最優先事項だ。
お前達とて、アンナースの件をこのままにしておくつもりは無いのだろう」
「ええ、何としても私達の力で可能であればアンナースを救出、不可能であれば……いえ、今はそんな余計な事は考えません。
スターの与えてくれた情報を元にブントに迫り、この戦乱を終わらせる為に戦うだけです」
「それで良い、その気持ちが失われていないのであれば。
報告は承った、お前達は直ぐに部屋に戻り、入手したデータの解析とスターへの連絡を急げ。
アンナースの身にコレ以上何かが起こってからでは遅いのだからな」
「了解!!」
司令とコンスタリオが一通りの会話を交わした後、一同は司令室を後にしてコンスタリオの自室に向かう。
だが自室についた後、シレットの質問が入る。
「隊長、やはり司令のあの様子は……」
「ええ、恐らくは司令も知っているのでしょうね、ブントについての事、魔神族の事、つまり司令は魔王陣営の協力者と考えてまず間違いないわ。
但し……」
「わかっているぜ、かと言って俺達の敵ってわけじゃねえ、そういう事なんだろ」
その質問に対するコンスタリオの返答はモイスも納得するものであった。
「司令が協力者であるとするなら、愈その事を私達に隠す必要がなくなってきたという事なのでしょうね。
先程の会話からもそれが伺えます、となるとその事は既にスターも把握しているのでしょう。
急いでデータを解析、提供しないとスターの信頼まで反故にしかねませんよコレ」
シレットが急かす様にコンスタリオに告げるとコンスタリオはわかっていると言わんばかりに端末の前に座り、入手したデータを早速調べ始める。
そのデータには特にウイルス等が仕掛けられている訳でもなく、ブントの過信ともそうでない何かが隠されているとも考えられた。
「施設では落ち着いて調べられませんでしたからね、ここで少しでもこの施設のデータを入手しておきたいところです」
「ええ、そして色々出てきているわね、やはり施設の最後に出てきた大型兵器は空中戦を主体とする生命を制御装置とした兵器であり、且つ量産体制も入っていた。
それにこの記録日時から考えるとこの兵器はイェニーの飛空艇より随分前に生産されている。
何方かと言うとこのデータを元にイェニーが飛空艇を生産した、そう考えた方が良いのかもしれない」
シレットとコンスタリオがデータを見て感想を話し合う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます