第1113話 兵器の終焉

そのままコンスタリオは更に攻撃を続け、兵器の武装を次々と破壊していく。


「凄い……兵器の武装を次々と破壊していってる……」

「何ぼーっとしてんだ!!俺達も援護するぞ、立ってる訳にはいかねえだろ!!」


シレットがコンスタリオの光景に目を奪われているとモイスはそう叫んでシレットと自身を鼓舞し、魔術と拳銃を構えて兵器を攻撃しようとする。


「そうですね……確かにこうしている訳には参りません!!」


豊雲もそう語ると手に槍を持ち、兵器を直視する。


「たあっ!!はああっ!!」


コンスタリオは気合を込めた声と共に格闘術で兵器を破壊していき、機関銃やレーザー、ミサイルの発射口等を破壊していく。

しかし、兵器の武装を破壊していく事は出来てもその中核を破壊するには力が及んでいない様子も見えてくる。


「兵器を破壊し切るにはまだ力が足りない……どうやって破壊すればいい……」


コンスタリオの表情にも少し焦燥感が見え始めてくる。

それを待っていたと言わんばかりに兵器はコレまで隠されていた箇所から大型のビーム砲を出現させ、コンスタリオに狙いを定める。


「くっ、まだ武装が残っていたの……そしてこの動きは……」


コンスタリオの焦燥感と隠し武装が現れた事で更に焦燥感が生まれたのか、ビームを回避する体勢を取れなくなってしまう。

シレットとモイスが魔術と拳銃で兵器を攻撃するが、ビーム砲を破壊したり兵器の注意を逸らす程のダメージは与えられない。


「このままじゃ、隊長が……」


シレットの顔にも焦燥感が滲み出るが、兵器がそうした心理を汲み取る事等する筈は無く、ビームは発射されようとする。

だがその直前に


「風神の螺旋……これで穿つ!!」


と言う豊雲の声とともに兵器の中心部分に穴が空き、それとともに兵器が崩れ落ちていく。


「え……何が起こったの……」


コンスタリオが呆気にとられていると、その直後豊雲が降り立つ。


「兵器の破壊は完了いたしました、お疲れさまです」


そう聞こえるのを確認するとコンスタリオは再び先程の魔術を発動させ、地上へと降りる道を作り出す。

その道を辿り、地上に降り立つとそこに豊雲も並び立つ。


「貴方……私の作り出したあの道を辿って?」

「ええ、道はありましたから、後はそれを辿るだけです」

「それはわかりましたけど、その腕に抱えているのは……」


コンスタリオと共に降り立った豊雲だが、その腕に抱えられていたのは人族の少年らしき生命であった。


「ええ、あの兵器の制御装置に利用されていた生命です」


豊雲は躊躇うこと無くそう告げる。

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