第1112話 届かなそうで届く力
だが微かでも生じた鋤は決して見逃されはしなかった、兵器はそんなシレットを捉え、下に装備していたレーザー砲を放射してくる。
そしてそのレーザーは攻撃に転じようとしてかいい動作が遅れたシレットに着弾する。
「シレットさん!!」
「大丈夫よ、直撃は受けていないわ。
それより次が来る!!」
豊雲がシレットに呼びかけると同時に豊雲に対してもレーザーが放たれる。
シレットの声もあり豊雲は回避に成功するものの、続けざまに放たれる機関銃やレーザー、ミサイルなどの回避に手一杯になってしまう。
「くっ、これでは近付く事も……」
「だけどこの武装を見ている限り、尚更あんな物を外に出す訳には行かない!!あれが地上に出ればありとあらゆる箇所が爆撃の驚異に晒される事になる」
「何より、あの兵器が量産されている可能性だって考えられなくはねえんだ、此処で手古摺ってたら今後が危ういぜ」
シレットとコンスタリオの発言に続くモイスの言葉はこの状況の深刻さを物語っていた、いや、他の面々もその可能性を想定しないない訳ではない、だがモイスがこうして名言化した事でその驚異、事実をより深く認識せざるを得なくなったのだ。
「そうね……こんな所で負ける訳には行かないわ」
コンスタリオはそう言うと両手を前に構え、魔術詠唱を始める。
だがその動作は攻撃魔術の物とは異なっていた、それを見た豊雲が
「あの構えは……見た事のない構えですね、星峰に詳細を聞いておくべきでしたか?」
と少し焦点がずれているとも思える発言をするとシレットは
「もう私達は敵対するという訳ではないのでしょう?なら……」
と諭そうとするが豊雲は
「だからこそですよ、あの動作によって何をしようとしているのか分からなければ援護の方法が分からないでしょう。
まあ、私の言い方も悪かったというのは認めます」
とその真意を口にする。
それを聞いたシレットは声にこそ出さないものの、表情は何処か安堵した物に変わる。
そうこうしている内にコンスタリオの魔術詠唱が終わり、兵器へと続く空気のブロックのような足場が出現する。
「足場?という事は隊長さんは……」
コンスタリオの狙いを豊雲はなんとなく察したのか、その動きを注視しようとする。
豊雲が注視するコンスタリオはそのまま空気のブロックに飛び乗り、兵器のレーザーや機関銃を回避しつつ接近していき、兵器の下半身にある機関銃に魔力を込めた蹴りを入れて破壊し、そのまま兵器にしがみつく。
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