第1094話 待ち受ける兵器

打撃攻撃には弱いのだろうか、光の膜はコンスタリオの一撃で砕け散り、そのまま霧散する、そんなコンスタリオを横目に見ながら他の面々は前方の兵器へと注意を向け続ける、レーザーに気を取られての奇襲を警戒しての事である。

しかし、兵器は愚直であるが故か、絶好の機会であるにも関わらず此方へと進行してくる様子は見られない。


「レーザーの対処に手間取っているのに仕掛けてこないとは……やはりコレが兵器のプログラムの限界というものなのかしら?」

「その限界を超える為に生命を制御装置に用いた……考えられねえ話じゃねえけど、腹立たしくなるな」

「ええ、それにそんな施設、兵器を野放しにしておく訳にはいかない!!情報を得るという目的がなければ一刻も早く破壊したいところよ」


シレットとモイスの発言に続くコンスタリオの言葉に他の面々は一瞬困惑する、コンスタリオがこれだけ直情的に怒りを顕にする事は中々無いからである。

最も他の面々もその怒りは同様であり、そんなコンスタリオに対して特に何かを言うような事はしない。


「隊長の怒りも最もですけど、その為にもまずは正面の兵器集団を突破しないといけませんね!!」


シレットはそう言うと雷撃魔術を前方の兵器集団に向けて放つがその魔術は当たる直前にレーザーの周囲にあった物と同様の見えない壁に弾かれてしまう。


「兵器の正面にも見えない壁か……もしかすると此方に向かってこないのではなく、向かってこられないのかも知れないわね、まあ、何方にしてもやる事は同じだけど」


コンスタリオはそう言うと兵器に接近していき、レーザーの際と同様に光の壁を破って突破口を開く。

しかしそれは同時に兵器の集中攻撃を受けるという事でもあり、破ったと同時に兵器は一斉にコンスタリオに対して機関銃を五月雨の様に放つ。


「その位は予測……」

「当然していますよ!!バレット・リバース」


コンスタリオが回避行動を採ろうとするとそこに割って入る様にアンナースが叫び、コンスタリオの周囲に先程までコンスタリオが破壊した膜と同じ様な膜を発生させる。だがその膜は兵器の放った機関銃を防ぐだけではなく、それをそのままの勢いで、いや。更に勢いを増した状態で兵器の方に弾き返す。

反射で勢いを増した機関銃の弾を受けた兵器は瞬く間に瓦解し、その場に崩れ落ちていく。


「この場に崩れ落ちる兵器からは生命は見当たりませんね……それがせめてもの救いですか……」

「救い……とも言えないわね……こんな物が量産されている時点で」


兵器の残骸が積み重なった部屋に立ち入り、コンスタリオ小隊は口々にそう漏らす。

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