第1093話 敵地故の劣勢
その呟きの中身は自身がブントに関わっているという事を暗に示して居るのだが、コンスタリオ小隊は気付いていないのか、それとも敢えて触れないのか
「そうね……先日の兵器で初めて確認されたケースだものね。
そしてこの兵器がここにも存在しており、それを生産する技術も確立されているとすれば……」
「ああ、この施設を放置しておく訳には本当にいかねえ!!
此処が何処であろうと徹底的に洗い出してやる!!」
コンスタリオとモイスもそれに触れる事はなく、言葉の奥深くに怒りを滲ませながら淡々と施設に、そしてブントに対する怒りを顕にする。
「それはそうとして、次は何処に向かいます?此処より奥とは言っても闇雲にウロウロしていてはまた兵器が集まってくる可能性もあります」
「そうね……なら、此処は敢えて兵器が集まってきている通路を見つけたらその奥を目指すというのはどうかしら?」
「兵器が守る場所であれば何かがある……という事ですね、それに対して異論はありません」
アンナースも含め、コンスタリオ小隊全員の意向が固まった所で一同は生産ラインを後にし、その足で更に奥へと向かっていく。
しかし、一同の予想に反して奥に向かっても兵器は出現しない。
「兵器が出てきませんね……この奥には重要な施設は存在しないということなのでしょうか?」
「或いはそう思わせる為の策略か……何れにしても警戒は怠らないようにしておいて」
少し緊張の糸が緩んだのか、シレットがふと漏らすとコンスタリオはその緩んだ糸を直ぐに締める様にシレットに発破を掛ける。
するとそれが的中したのか、目の前に入口近くと動揺の大広間が見えてくる。
そしてそこには既に兵器が大集合していた。
「成る程……この大広間で迎撃する様にプログラムされていたって訳ね……だとすると大広間自体にも地の利が仕掛けられている可能性も否定出来ない。
此処は無闇に突撃しない方が良いかもしれないわね」
その兵器の姿を目撃したコンスタリオの一言で格闘戦を得意とするコンスタリオ以外の面々はそれぞれ魔術や銃の構えを取ろうとするが、その直後に周囲の壁からレーザーが放たれ一行を攻撃してくる。
一行はそれに気付くと素早く回避行動を取り、そのまま壁のレーザーに反撃するがレーザーを覆っている透明な壁に阻まれてしまう。
「大広間どころか既に此処に地の利が仕掛けられていたって訳ね!!」
コンスタリオはそう言うと壁のレーザーに向かって接近し、打撃を叩き込んで光の壁ごとレーザーを破壊する。
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