第1091話 逃しの代償
「ここには有力な情報はないみたいね……本命はもっと奥にあるのかも知れないわ」
「或いは……初めから無かったのか」
コンスタリオの発言に対しアンナースは水を差すような発言をする、だがコンスタリオはそんな事は気にもとめず
「さあ、先へと進みましょう、ここで長居して兵器に襲撃されても面倒だわ」
と発言し一同に先に向かう様に促す。
「了解……と言いたいところですけど、残念ながら一足遅かったようですね……」
シレットがそう呟くと同時に部屋の奥の扉が開き、そこから兵器が多数溢れ出てくる。
「ええ、そのようね……見切りを早々につけなかった私のミスだわ」
コンスタリオはそう言うと交戦体勢を取り、シレット、モイス、アンナースも同じく交戦体勢を取る。
「ここで逃げたら袋小路まで追い詰められかねねえ……ある程度破壊するしか無いぜ」
モイスがそう言うと同時に小型兵器がコンスタリオ小隊に接近し、装備されている武器で攻撃を仕掛けてくる。
「攻撃は接近戦中心か……やはりデータを破損する事は連中にとって損失につながると考えているようね」
「少なくとも兵器の製造者にはそうなんだろうな、今ここを使ってる連中はどうかは知らないが」
「何れにしてもまずは兵器です、ここでやられてしまったらその確認も出来なくなります!!」
コンスタリオ小隊は口々に感想を述べた後、兵器に対して格闘術や魔術、銃弾といった得意の攻撃を繰り出していく。
兵器の攻撃が格闘武器を中心としている以上、周囲を破壊しても影響のないコンスタリオ小隊が圧倒的に優位なのは明白であった。
勢いに乗って次々と兵器を破壊し、部屋から脱出するタイミングを伺う。
だがプラントが目の前で可動している以上、兵器が途絶える事はない。
「兵器自体は大したことありませんが、背後にプラントがあると……」
「タイミングを逃したら終わりですね……と思いましたが、状況は既に悪くなっているようですね……」
シレットの言葉に続くアンナースの不吉な発言、だがそれは根拠なく言っている訳ではない。
一同に迫っていた兵器の背後から更に近付いてくる中型兵器の存在に気付いたが故の発言である。
「中型兵器まで出てきたとなると、プラント側の警戒もレベルがあり、それがましたということなのかしら……
まあ、仮にそうであったとしてもやる事は同じだけどね……」
「いえ、同じではありませんよ……皆さん、中型兵器を倒す余力はまだありますか?」
コンスタリオの言葉を否定しつつ、アンナースがこう問いかけてくる。
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