第1073話 コンスタリオの気付き
「今、この状況で全部を説明するのは不可能だけど、私達の方でも貴方の故郷の一見について調べてみるわ、そうすれば何か分かるかも知れない」
星峰がそう告げて転移妖術で戻ろうとするとコンスタリオは
「そしてそれが分かったら又私達に伝えてくれるのでしょう、貴方が」
と星峰に向かって告げ
「可能であれば……ね」
と星峰がやや濁した返答をするとコンスタリオは
「いいえ、貴方は間違いなく私達に情報を送ってくるでしょう、そうでしょう、スター・ボレード」
と続け、それを聞いたコンスタリオ以外の全員が
「え……!?」
と困惑した声を上げ、星峰が発動させようとしていた転移妖術も中断してしまう。
「スターって……コンスタリオ隊長、その名前は……」
「ええ、ブエルス陥落時に失った仲間の名前……だけど今、スターは私達の目の前にいる、魔王からは星峰と呼ばれているけどね……」
動揺するシレットに対してコンスタリオははっきりとこう発言する。
その発言は明らかに自信に満ちており、揺らぎは全く感じられない。
「つまり……スターは魔王の側近として行動していたって事か……確かにそう考えれば魔神族にとって重要な情報が俺達の元に届けられたのも合点がいくし、俺達の元に姿を見せる訳には行かないって事も理解出来るが……」
「けど、どうしてそう言い切れるんです?今目の前で転移妖術を発動させようとしている魔神族こそがスターなのだと……」
モイスとシレットが口々にコンスタリオに対して疑問を告げるとコンスタリオは
「元々そうじゃないかという疑念自体は持っていたのよ、重要な情報を次々と送ってくるにも関わらず直接は姿を見せない、だとすると見せられない事情があるというのは想像出来た。
けどそうだとしてもいつまでも魔神族側のエリアにいてそれを続けるリスクはスターなら承知出来る筈……にも関わらずそれが出来るということは魔神族に協力している可能性があるのではないかと考えたのよ」
と返答する。
「でもその仮説は当然否定した、何故ならそれが的中しているならスターは私達を裏切っていることになるから……
けど、裏側組織の存在がその疑問を払拭した」
「ええ、真の敵が裏側組織であるのなら魔神族に協力しているのもその真の敵を撃つ為であると考えられる。
そして今日の共闘で貴方がスターであると確信したのよ、もし違っていたのであれば申し訳ないけどね……」
コンスタリオは星峰をじっと見つめながらこう告げる。
その目は寸分違わず星峰を凝視していた。
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