第1074話 スターとの再会
「一体どういうことなんです……あの魔神族がスターだって言うのは……」
動揺する気持ちを辛うじて抑えている、そんな震えを感じる声でシレットがコンスタリオに問いかけるとコンスタリオは
「さっきの兵器に対して、そして地下施設で貴方が私達の前に現れた時、あの時貴方は明らかに私の動きに合わせて相手を攻撃していた。
敵の鋤の付き方も、私の動きの鋤も全てを把握していなければ出来ない技よ」
と返答し、それに対しモイスが
「けど、それだけでそうだっていうのは……」
と至極当然の反論を行おうとするがコンスタリオは
「ええ、流石に地下施設の一件だけでは単なる偶然で片付ける事も出来た、だけど施設の一件の後、同一の作戦行動中に二度も同じ事が偶然起こるとは思えない。
現に兵器に鋤を突かれかけた時、貴方やシレットも対応出来なかったでしょう?」
といい、それを聞いたモイスとシレットは黙り込むしかなかった。
コンスタリオの言う通り、二人は兵器が破壊されずに反撃してくる事を想定していなかったのだ。
「そしてその直後に見事な位置取りで攻撃した、そんな事が可能な存在を私は一人しか知らないの。
だから確信を持ったのよ、スター・ボレード。
貴方がそうなのだと」
「確かにスターは隊長との連携も良く取っていたし、隊長に出来てしまった鋤を上手くカバーすることも多かったけど……」
「それを出来るのがスターしかいないとなれば、その結論にしか行き着かないという訳か」
コンスタリオ本人も含め、小隊は頓には信じがたいという表情で星峰の顔を凝視する。
魔神族側も困惑が収まらない中、遂に渦中の星峰が
「……やれやれ、ここで気付かれてしまいましたか……そうですよ、私がスター。
ブエルス陥落時に消息を断ったスター・ボレードです。
最も、今は星峰という名前ですが」
と口を割り、自身がスターである事を認める。
「ス……スター……本当にスターなの?」
シレットが確認する様に告げると星峰は
「ええ、正真正銘のスター・ボレードよ」
とその確認を肯定し
「僕もそれは認めます、保証します」
「私もです」
天之御と空狐も星峰の肯定を更に肯定する。
「スターの姿をしている魔神族がそれを肯定したのであればもう間違いないわね。
だけどスター、何故貴方が魔神族に協力を?いえ、それは裏側組織の事を知ったからなのでしょうけど、一体どうやってその存在を……」
「彼女が……いえ彼に対して僕がその存在を教えたからだよ、その裏側組織とは彼のお父上とも因縁があったからね」
コンスタリオの問いかけに対し、答えたのは星峰本人ではなく天之御であった。
その声には少なからず動揺が感じられる。
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