第1064話 収束する兵器
「この狭い部屋の中で兵器だけを狙うなんて流石ね……私達も続くわよ!!」
八咫の攻撃を見たコンスタリオが皮肉とも称賛とも取れる口調でこう話した後、コンスタリオ小隊も突入準備を整える。
だが呆気ない程に兵器はそれ以上の抵抗を見せず、新たな戦力が出てくる気配すら感じられない。
「司令室に集まっていた兵器は先程八咫が両断した数だけだったの?確かに結構な数が居たとは思うけど……だけど、あまりにも呆気なさ過ぎる……」
涙名がそう疑問を口にすると天之御は
「それを確かめる為にも目の前の機器の電源を入れてみよう、まずは当初の目的を達成する事が先決だ」
と告げ、目の前にある機器の電源を入れ、前のモニターに街と司令部の全体像を表示する。
それを見た星峰が
「戦況は此方に有利ではあるわね……街の各地に散開している兵器は既に其の数をかなり減らしている……だけど何か引っかかる……」
と告げると空狐も
「星峰も引っかかる部分があるのね、私もなの。
ただ、それが具体的に何なのかと聞かれると……」
と同意しつつも何処か歯切れの悪い返答をする。
空狐も内心で何か気になる所はあるようだが、それが具体的に何なのかを伝える表現方法が思いつかないのだろうか。
「兵器の数の減り方……じゃない?確かに全体的に兵器の数は減っては来ているけど多くの数を減らしている所もあればそうでない所もある。
元々戦力を分散させていた可能性もあるけど、そうだとしても其の狙いは……」
「戦力を集中させている場所に何かがある、そういう事なのでしょうね」
涙名が其の疑問に対する一つの解を示すと
「確かに其の可能性もあるわね……そう考えれば納得は行くわ」
「見て、兵器が何処かに一斉に移動し始めてる!!この様子だと後退するってわけじゃなさそうだけど……」
星峰が一つの可能性を考慮すると同時に岬が画面を見てこう告げる。
岬の発言で一同が前の画面に視線を移すとそこには確かに兵器が一斉に移動し始める光景が映し出されており、其の反応は明らかに何処か一箇所に集まろうとしていた。
「この場所って、この司令部のある場所ですね……ここに戦力を集中させて反撃に出るつもりでしょうか?」
「だったら動作が遅すぎるわね……既に奪回は成功しているもの。
となるとなにか別の目的があるかも知れないわね……」
シレットが兵器の動きについて推察すると星峰はそれに異を唱え、更に画面の機器を操作してこの司令部全体を映し出す。
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