第1065話 地下に眠る悪
だが一同はそこで奇妙な現象を目にする事となる。
収束している筈の兵器が施設内の何処にも表示されていないのだ。
「施設内の全体図に兵器が表示されていない!?一体どういう事なの!?」
シレットがそう叫ぶと天之御は
「いや違う!!このマップに表示されない場所に兵器が集まっているんだ!!」
と告げ、魔王妖術で新たに出現させた施設の全体図を他の面々に見せる。
するとそこには目の前のモニターには表示されていない箇所があり、そこに兵器が集中している事がはっきりと確認出来た。
「眼の前の画面には表示されていないエリア……そんな所が存在してるという事は……」
「恐らく敵の本命は初めからここだったということなんだろうね。
そしてそれの達成が危うくなったから早急な対処に出てきた……そんなところだとは思うけど、問題はそこじゃない」
「ええ、本当に問題なのはそこに何が存在しているのか……よね」
隠されたエリアの存在に動揺したシレットがこう告げた後、天之御と星峰がこう告げ、其の直後に星峰は
「其の隠されたエリアも表示……!?天之御!!」
と表情を変え、天之御も
「ああ、分かってる!!」
と同じく表情と口調を変える。
其の直後、天之御が表示している方の施設の全体図から巨大な赤い反応が感知される。
「殿下、コレは一体……」
「地下から何かがここに向かって上昇してきてるって事だよ!!このまま此奴がここに現れれば司令部は確実に崩壊する!!」
「一気に証拠の隠滅を図ろうって訳!?彼奴等と考える事は同じね……」
岬が天之御に問いかけると天之御はこう返答し、空狐も其の言葉に続ける。
「だったらそんな呑気に構えてる場合じゃ……」
「構えてる訳じゃないよ!!ここに向かって来るって事は進路は読めてる!!魔王妖術……純白の誘い!!」
シレットが焦った口調で話し始めると天之御はこう宣言し、何らかの妖術を発動させる。
すると其の直後、熱源反応が消失する。
「熱源反応が消えた?」
「いや、この街から少し離れた荒野に飛ばしただけだよ、熱源反応の正体がどのようなものか分からない以上、放置する訳にはいかないからね!!」
「なら……行きましょう!!」
シレットの疑問に天之御が答えると天之御と星峰はこう叫び、転移妖術を発動させる。
「私達も当然、同行させてもらうわよ。
ここまで来て置いていくなんて許さないから」
コンスタリオが釘を刺すような口調でそう告げると星峰は
「……仕方ありませんね」
と言い、転移妖術の範囲にコンスタリオ小隊も含める。
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