第1063話 司令室奪還戦
「兵器を水晶の中に?一体何故?破壊した方が早くねえか?」
モイスが星峰に問いかけると星峰は
「この兵器が仮に他の兵器に情報を送信しているとしたら破壊に使った攻撃を今後見抜かれる恐れがあるからね、こうして封じ込めればデータの転送は不可能になり、敵の戦力の増強を阻止出来る」
「後序にこのまま鹵獲するつもりでもあるんでしょう?」
「まあ、そっちもあると言えばあるわね。
兵器の本体を鹵獲して調べれば色々分かるかも知れないし」
と空狐と会話を躱しつつモイスの質問に答える。
その光景をみたコンスタリオは
「この光景……口調は違うけどこの感じは……それにあのスターの姿をしている魔神族との会話の呼吸、やはりこれは……」
と内心で抱いている疑問を更に膨らませつつ、一方で何か答えを悟ったような表情も見せる。
「それはそうと、この兵器達は何処に集まっているんでしょうか?」
「それは分からないけど、まずは司令室を奪還しよう。
もし司令室を奪還する事が出来れば敵の配置は丸分かりに出来る筈だから」
岬の疑問に対し天之御がこう返答すると星峰達は移動を開始し
「私達も続くわよ、この兵器を野放しにしておけば私達の脅威にも確実になりうるわ」
とコンスタリオが言ったのを皮切りにコンスタリオ小隊もその後を追っていく。
其の中にはアンナースも含まれていたが、先程からその表情は険しさと困惑を増していく一方である。
「一体私は何をやっているの……魔王を倒すまたとない機会だと言うのに其の魔王と行動を共にし、更には元々与えられた任務すら放棄している……
私は何処に向かおうとしているの……」
答えの出ない自問自答を繰り返し、それでも何とか足を動かしてコンスタリオ小隊に付いていくアンナース、其の動作は葛藤が見え隠れしているのか何処かぎこちなさを感じさせる。
そして構造を知っているが故か、一同が司令部に到着するのにさして時間はかからなかった。
「ここが目的の司令部だね……さて、中にはどの位の戦力が集まっているのか」
そう言いながら天之御が扉を開けるとそこには所狭しと兵器の群れが部屋の中で形成されていた。
其の数は一見すると圧倒的であり、其の場から逃げ出したくなりそうである。
だが一同、特に天之御達はそれを眼の前にしても尚一歩も引く気配がない、そればかりか
「黒羽の風切り!!」
と八咫が告げると同時に兵器の群れに対して回転する黒羽を飛ばし、それに触れた兵器を瞬く間に両断する。
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