第1052話 用心棒との死闘
「何!?この振動は……」
アンナースが動揺した声を上げると同時に目の前の生産機器の前に魔術障壁が展開され、更に其の手前に巨大兵器が出現する。
「成程……兵器を守る用心棒は居るって訳か」
モイスがそう告げると同時に巨大兵器は肩に装備した機関銃を乱射し、コンスタリオ小隊を攻撃してくる。
「つっ、魔術小兵器があるから暴れたい放題暴れられるって訳……厄介な話ね」
シレットがそう呟くと同時に巨大兵器は続いて腕の部分を伸ばしてシレットを殴り飛ばそうとする。
それを躱したシレットはその延長部分に雷の魔術を当てて破壊しようとするが、当たった箇所はダメージを与えたのかどうか分からない。
「魔法はしっかりと当たったのに全くダメージを!?これは一体……」
「魔法に対する耐性があるのか、それとも凄まじい速さで自己修復しているのか……何方にしても厄介ね……」
この一連の流れだけでもコンスタリオ小隊がこの兵器に対して警戒を抱かせるには十分過ぎるレベルであった。
更に巨大兵器は全身に搭載されたミサイルやレーザーと行った火器を乱射し、コンスタリオ小隊の身動きすら満足に取れない状態を作り出す。
「くっ、これだけの攻撃を乱射されては身動きを取ることすら……つっ……」
コンスタリオの焦燥感を感じさせる顔がこの状況の危険性を物語っていた。
モイスとアンナースがそれを掻い潜りながら銃撃を加えていくものの、巨体故の装甲の厚さ故かダメージの与える事が中々出来ない。
「くっ、このままでは劣勢に……いえ、既に追い込まれているのかも知れないわね……」
「眼の前に最大の標的があるっていうのに……何とか突破しねえと……」
コンスタリオとモイスが徐々に焦燥感を隠せなくなる中、シレットが
「隊長、モイス、見て下さい、あの兵器の首元だけは兵器の類が装備されていません、もしかするとあそこに何かがあるのではないでしょうか?」
と兵器の行動の癖を発見する。
それを聞いたコンスタリオは
「言われてみれば確かにそうね……このままではどのみち全滅を待つだけだわ、一か八か掛けてみましょう!!」
と良い、兵器の首元を目指して接近していく。
その行動をモイス、シレット、アンナースがそれぞれ銃撃や魔法で援護し、兵器の目を引きつける。
そして兵器に接近したコンスタリオは首元目掛けてジャンプし、その足に最大限の力を込めて兵器の首元に蹴りを叩き込む。
だがそれでも兵器を怯ませる事こそ出来たものの、破壊するには至らない。
更にそのまま兵器の反撃を受けそうになるが、その時何かがコンスタリオの直ぐ側を通り過ぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます