第1053話 星峰との再会

「えっ……今のって……」


コンスタリオがそう呟いた直後にザクッと何かが切れる音が聞こえ、それと共に兵器の首元が両断される。

先程の音が兵器の首を切り落とした音なのは疑い様のない事実であるが、この状況での問題はそれを誰が行ったのかという点である。

首を切り落とされた兵器が其の場に崩れ落ちると同時に魔法障壁も解かれ、それを見逃さなかったモイス、シレット、アンナースは一斉に生産ラインを攻撃して破壊する。

兵器と生産ラインを破壊した歳の砂煙が立ち込め、一同の視界を遮っている為にコンスタリオは何がどうなっているのか判断出来ない。

砂煙の中から兵器の近くに何者かが立っているのが微かに見える程度である。

そして砂煙が収まった後、其の姿を見たコンスタリオは


「……貴方は……」

「又……会えましたね」


と其の何者かに声を掛け、其の何者かもこう返答する。

其の姿を見たモイス、シレット、アンナースも困惑の表情を浮かべる、そこに居たのは紛れもない星峰であったからだ。


「貴方は魔王の……何故ここに居るんですか?」


シレットは星峰に対し何故ここに居るのか、其の理由を問い質そうとする。

だが一方でアンナースは


「魔王の側近が何故ここに……この兵器もあんた達が生み出した物なの!?」


と強い口調と共に星峰に狙撃銃の銃口を向ける、だがそこに


「星峰、ラインを破壊したのであれば急がないと!!」


という声とともに天之御や空狐、八咫、涙名も其の場に集ってくる。

その声は焦りが明らかに混ざっており、何らかの非常事態が発生した事は想像に難くなかった。


「そうね……ここでグズグズしている時間はないわね」


星峰も其の声に同意するがそこにコンスタリオが


「私達はこの場で敵対する意志は無いわ、だけど聞かせてほしい、何故貴方達がここにいるのか。

アンナースも銃口を向けるのは少し辛抱して、今ここで魔王と戦っても私達に勝ち目は……」


と問いかけと諭しを同時に行い、それを聞いたアンナースも


「ええ、分かっていますよ、それでも……」


と不満は隠しきれないものの銃口を一旦下げる。

だが其の直後に星峰は


「残念だけど今ここでお話をしている時間はないの、ここで生み出された兵器が転移魔術で地上に向けて進行しようとしているのよ。

そして其の転移先は……」


というと目の前に妖術でこの施設の地図らしき物と地上世界の地図を出現させ、更に転移魔術で繋がっているという部分を光らせる。


「兵器が侵攻を!?」


困惑した声を上げるシレット、更に


「こ、ここって……」


とアンナースもそれに負けず劣らずの困惑した声を上げる。

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