第1040話 鉄壁の連携

「何なの……この巨大な施設……兵器の生産プラントとして考えてもかなりの規模になるわ……あの兵器はこんな場所で生み出されたというの?」

「その時点で不穏な雰囲気しか無いですね、そしてそんな物を回収してこいという命令も何処か不吉な予感を感じさせます」


コンスタリオとシレットの口から出てきたのは施設への懸念だけでなく、司令官に対する不信感でもあった、だがそれを聞いたアンナースは


「そうですね……こんな施設があるとは聞いていませんでした……もしこれを知っていた上で指示を出したのであるとしたら正直司令官に対してその真意を問い質す必要がありますね」


と反論するどころか寧ろ同意している。

だが其の言葉遣いには若干不審な点があるが……それが逆にアンナースの動揺を表しているようにも思える。


「ここで話をしていても仕方ねえ、さっさと中に……入りたいと思ったけどそうは行かねえみたいだぜ」


モイスがそう告げると同時に施設の中より兵器が現れ、一同の目の前に立ち塞がる。

それは明らかに迎撃用であり、機関銃やレーザーといった武装にそれが見て取れた。


「武装の装着箇所は全体にバランス良くね……あの武装から考えると恐らくは迎撃用の兵器、この施設の用心棒と考えてまず間違いないわ」

「見た目もかなり屈強な印象を受けますね、あれが集まってきているとなると中々突破は難しそうです」

「しかも背後は奴等の生産拠点の可能性もある、とすれば其の中でこの瞬間にも生み出されている可能性もあるな……先史遺産の兵器の中にも交戦記録を次に転送してくる兵器がいたからこいつらもそうだとしたら厄介だぞ」

「ですが、ここから引き下がる訳にも行きません、行きましょう!!」


兵器の姿を見てコンスタリオ小隊はそれぞれ感想を口にした後、兵器の集団に向かっていく。

其の姿を見て反応したのか、兵器はすかさず機関銃やレーザーを構え、コンスタリオ小隊に攻撃を仕掛けてくる。

其の連携はやはり優れており、前回動揺に鋤の無い動きでコンスタリオ小隊に迫る。


「くっ、やはり連携に優れた動きを見せてくるわね……これは防衛に回られるとかなり厄介な存在になるわね」

「ですが、連携は此方も負けていない筈です!!」


コンスタリオの発言に対しシレットがこう続けるとコンスタリオ、モイスは黙って頷き、兵器に接近して格闘術や銃撃で連携を見せ、兵器を次々と破壊していく。

其の連携は生命ならではの柔軟性があり、生命としての戦いを見せる。

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