第1003話 嘗ての弱気、今の強気!!

「あの数の兵器を一人で……か、昔の私だったら音を上げていたでしょうね……

だけど、今の私なら!!」


空狐はそう自分に言い聞かせるとそのまま剣を構えて兵器へと接近していき、素早く振るって数体の兵器の関節部分を切断して破壊する。


「まずはこれで此方に気を引く事が出来た筈……それを確認する為には……と」


空狐はそう呟くが、実際は確認するまでもなかった。

今の斬撃で破壊されなかった兵器達はそのまま其の武装を空狐に向け、一斉に攻撃してきたのである。

其の攻撃は兵器の注意が空狐に傾いたという事を証明するのに十分な判断材料となった。


「私に対して攻撃を仕掛けてきたってことはこの兵器達の標的は渡しになったって事ね……だけどこの連携、今まで交戦してきた兵器とは明らかに違う。

連携が取れているのもさる事ながら、この違和感は一体何?」


兵器の反撃を回避しつつ、空狐は内心で星峰や涙名が抱いた物と同じ疑念を抱く。

だが空狐の内心に引っかかった疑念はそれだけではなかった、この兵器達の背後に別の何かが蠢いているような、そんな引っ掛かりを覚えたのである。


「違和感も引っかかるけど……それを確かめる為にも今ここでやられる訳にはいかない!!」


空狐はそう言うと地下通路の壁を駆け上がり、そのまま兵器の攻撃を回避しつつ壁から兵器に飛びかかって剣で次々と兵器を両断していく。

だが流石に接近戦では鋤が大きかったのか、其の直後の動作を狙って兵器は一斉に攻撃を仕掛けてくる。


「やはり正確な狙いと連携ね……こいつらが只の兵器ではないのは最早明白、だけどこれだけ連携が正確という事は……」


空狐は素早く移動して兵器の攻撃を躱しつつ其の動作を伺う。

そして兵器が見せた攻撃態勢の鋤を突こうとするが攻撃態勢をとった兵器はそれを確認すると体制を外し、そのまま其の場から離れる。

そして他の兵器達は一斉に空狐に標準を定める。


「しまった……まさか兵器にこんな応用学習能力があるなんて……」


その行動をみた空狐が一瞬困惑すると其の鋤は逃さないと言わんばかりに兵器は一斉に空狐に対し砲弾やミサイル、レーザーを雨あられと言わんばかりに空狐に向けて放ち、完全に虚を突かれる形となっしまい、其の場に爆音が鳴り響く。

そして数秒後、一同の攻撃は一旦鳴りを潜め、その後に爆発で起こった舞い散る砂埃

が収束していくのを待っているだけとなる。

だが其の砂埃が全て何処かへと飛んで行くと同時に再び攻撃音が響き渡る。

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