第958話 調査の横槍を折って
「其の新型兵器のデータがご丁寧に残っているという事は本来であれば量産化も視野に入れているというのは略確実なのでしょうけど、実際にそれが行われた訳ではない。
となると考えられるのは……」
「この敗北で頓挫したと考えるのが妥当な線ね、まあ、それで頓挫するようであれば元々大した計画ではなかったのかもしれないけど」
シレットとコンスタリオが口にしたこの事実も又、裏側勢力の計画を物語っているのだろうか、そう思わずにはいられない。
そこにモイスが
「この戦乱の記録は此処にしか記載されていないようだぜ、そこに記載されている記録の日時は他の資料で見た事あるが、こんな記録はその資料には記載されてなかった。
これも又、これに裏側勢力が関わっている証拠なんだろうな」
と口を出した事でシレットとコンスタリオは更に其の疑念を強めていく。
「兎に角、この戦乱の記録を知る事が出来たのは大きな収穫ね、だけど……」
「ええ、これも又裏側勢力の魔手なのでしょうか……」
コンスタリオがそう告げ、シレットが言葉を続けた次の瞬間、入口付近から爆発音らしき音が響いてくる。
そこには小型、中型兵器の群れが幾つも出来ており、一同が出てくるのを待ち構えていた様子が伺える。
「私達を待ち構えていたのでしょうけど、とうとう痺れを切らして殴り込んできたってところかしら?」
「機械が痺れを切らしたりなんかするのか?」
「あるいはこれ以上検索させない為にデータベースと連動したプログラムを組み込んでいたか、でもデータベースのデータ自体を破損させている訳ではないとすると、やはりこのデータは重要性が高い物であると考えてまず間違いないのでしょうね」
シレット、モイス、コンスタリオが口々にそう感想を述べていると、其の事に苛立ったかの様に兵器は機関銃の銃口を三人に向けてくる。
だがそれを発射する前にコンスタリオが兵器に接近し、格闘術で其の銃口をへし折っていく。
それに続く形でモイスは兵器のメインカメラを銃で打ち抜き、シレットは得意の雷魔術で兵器を感電させ、その機能を停止させていく。
三人の攻撃により、待ち構えていた兵器は瞬く間に全てその機能を停止する。
「あっけないという印象だけど、最初に攻撃を仕掛けようとしてきた時兵器に若干の躊躇いがあるように感じたわね」
「ああ、やはり個々のデータを破損させる訳にはいかねえのか?」
「だとしたら今の内に調べられるだけ調べておかないとね」
思わぬ横やりが入りながらも三人はデータの調査を続けていく。
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